中学受験国語の小6直前期の見直し、残り五分で確認する順番
残り五分で大問1から全文を読み返そうとすると、後半を確認する前に時間切れになることがあります。どの箇所を優先するかを、普段の演習で決めておきます。
残り五分でできることは限られています。全文を読み直すのは難しくても、迷った箇所の根拠を確かめる時間は取れます。解答欄のずれや空欄、条件違反など、短時間で直せる箇所から確認します。見直す順番を決めておけば、五分という短い時間でも確実に手を動かせます。
全問見直しは直前期には向かない
見直しの基本は、間違えやすい箇所を優先して確認することです。試験が始まってすぐの時間帯なら、大問ごとに丁寧に見直す余裕もあります。しかし残り五分という段になると、1問あたりにかけられる時間は数十秒しかありません。
このとき、大問1から順に見直そうとすると、最初の設問に時間を使いすぎて、後半の大問にたどり着けないまま終わります。見直しにも優先順位が必要です。直前期に意識してほしいのは、次の3つを決まった順番で確認することです。
- 設問条件を満たしているか
- 選択肢を選んだ根拠が示せるか
- 記述の文末が設問の形に合っているか
この順番には理由があります。設問条件の見落としは配点に直結しやすく、しかも確認に数秒しかかからないからです。逆に本文を読み返す系の確認は時間がかかるため、残り五分では後回しにせざるを得ません。
まず解答欄と空欄、設問条件を見る
解答欄がずれていないか、記号問題に書き忘れがないかを先に見ます。そのあと、設問の指示と答案を比べます。
- 字数指定を守っているか(「十五字以内」「二十字以上二十五字以内」など)
- 「すべて選びなさい」「あてはまらないものを選びなさい」のような否定・複数選択の条件
- 「本文中の言葉を使って」「自分の言葉で」といった記述の条件
- 抜き出し問題で、指定された範囲や句読点の扱いを守っているか
これらは本文の内容理解とは別に、条件を読み取れていたかどうかだけの問題です。設問を一読したときに緊張や焦りで読み飛ばしていることがあり、答案自体は本文をきちんと理解していても、条件違反で点を落とすケースが少なくありません。設問条件の読み飛ばしについては設問条件の読み飛ばし対策でも扱っていますが、直前期の見直しではこの確認を一番最初に置くことが大切です。
設問の条件と答案を比べ、字数や答え方が合っているかを声に出さずに確かめます。かかる時間は問題によって違うので、普段の演習で計っておきます。
迷った選択肢は本文の根拠に戻る
次に見るのは、選択肢問題で選んだ答えの根拠です。迷った印のある問題に絞り、選択肢の違いに対応する本文の箇所を読み直します。
ここで引っかかるのは、根拠が思い出せない選択肢です。本文から答えを先に考える即答法でも、根拠が必要です。直感だけで選んだ問題と区別してください。残り五分の時点でその根拠を思い出せないなら、もう一度選択肢を読み直して、本文の表現がどう換言されているかを確認する価値があります。
- 選んだ選択肢の言い回しが、本文のどの一文を言いかえたものか説明できるか
- 消去法で外した選択肢のうち、「迷った」選択肢がなかったか
- 迷った選択肢があれば、その2択だけもう一度見直す
全選択肢を再検討する時間はないので、迷った記憶がある設問だけに絞ります。選択肢の解き方の骨格については選択肢問題の解法フレームで触れている内容が前提になります。マクロ→ミクロの読解で本文の軸をつかんでから選択肢を絞る、という流れが身についていれば、迷った設問自体も少なくなっているはずです。読解の型そのものを見直したい場合は読解の型も参考になります。
記述は文末を確かめ、残り一分で書き終える
記述は、全文を書き換える前に残り時間を確かめます。文末の形と、設問が求める内容に答えているかを見て、必要な箇所を直します。書きかけの答案は、残り一分になったら文として書き終えます。
答えの形は、設問に特別な指定があればそれを優先します。次は文末を確認する目安です。別の表現でも内容が明確に答えになっていれば、語尾だけを理由に書き換えません。
- 「〜なぜですか」に対して「〜から。」「〜ため。」で終わっているか
- 「〜どういうことですか」に対して「〜ということ。」で終わっているか
- 「〜気持ちを答えなさい」に対して、気持ちを表す言葉で終わっているか、出来事の説明だけで終わっていないか
たとえば「主人公が黙り込んだのはなぜですか」という設問に対して、「友人に本当の気持ちを言えなかったことに気づいたから。」と書いてあれば形は合っています。もしこれが「友人に本当の気持ちを言えなかった。」で終わっていたら、理由として答えたことが文末から分かりにくくなります。文末だけ見れば、この形のずれは数秒で発見できます。
文末の形が崩れていないかという確認は、内容が正しいかどうかとは別の軸です。内容の修正が必要なら、残り時間で書き終えられる範囲に絞ります。字数の調整で文末を削ってしまっていないかも、このタイミングで確認しておきたい点です。
五分の配分イメージ
実際の試験で五分をどう割るかは、大問構成によって変わります。目安としては次のような配分が使いやすいです。
- 最初の1分:解答欄のずれ、記号の空欄、設問条件を確認
- 次の2分:迷った選択肢の根拠を本文で確認
- 次の1分:記述の文末や字数を確認
- 残り1分:書きかけの記述を文として仕上げる
この順番で動くためには、試験中に「迷った選択肢」や「時間が足りず焦って書いた記述」に薄く印をつけておくと、残り五分になったときにどこを優先すべきかすぐにわかります。印をつける癖は、普段の過去問演習でも身につけておくとよい習慣です。過去問の復習の仕方については過去問を解きっぱなしにしない復習手順でも扱っています。
家庭でできる練習
本番で五分の見直しを機能させるには、同じ順番を普段の演習でも繰り返しておく必要があります。試験当日に初めてこの手順を試すと、焦りで順番を忘れてしまいます。
- 過去問や模試を解いたあと、時間を計って五分間だけ見直しの練習をする
- 見直しで条件違反や文末のずれを見つけたら、どの設問で見つかったかを記録する
- 同じ種類のミスが繰り返し見つかる場合は、その設問タイプの解き方自体を復習する時間を別に取る
この練習を数回繰り返すと、設問条件、選択肢の根拠、記述の文末という順番が体に入り、本番でも迷わず手を動かせるようになります。直前期は新しい解き方を増やす時期ではなく、すでにある解き方の精度を上げる時期です。見直しの順番を固定しておくことは、そのための具体的な一手になります。
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