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中学受験国語で設問条件を読み落とす子へ 解く前の10秒チェック

「一つしか書いていない」「理由を聞かれているのに気持ちを書いている」。採点をしていると、内容自体はそれほど的外れではないのに、設問文の条件を満たしていないという理由で点が入らない答案によく出会います。本人に聞くと、本文はちゃんと読んでいる。読解自体が崩れているわけではありません。ずれているのは、設問文を読む段階そのものです。

内容には向かうのに、条件には向かわない

設問文には、探すべき内容(理由、心情、様子など)と、答え方の形式(いくつ挙げるか、文末をどう終えるか、何字以内か)が同時に書かれています。多くの子は前者だけを拾って本文に向かい、後者は答えを書く直前になってようやく設問文に戻って確認します。この順番だと、内容を探すことに意識が集中しているぶん、形式条件は後回しになり、書き終えた時点で見落としに気づかないまま解答欄が埋まります。

「二つ挙げなさい」と書かれているのに一つで満足してしまう。「理由を」と聞かれているのに「〜という気持ち」で終わってしまう。「本文中の言葉を使って」とあるのに自分の言葉で言い換えてしまう。どれも読解力の不足ではなく、設問文を精読する手順が抜けていることが原因です。この精読は、本文全体の大意を掴むマクロの作業とは別の、マクロ→ミクロで読む型でいうミクロの部分にあたります。

解く前に囲む四つの言葉

本文に向かう前に、設問文の中から次の四つを探して丸で囲む習慣をつけます。順番も固定しておくと、確認そのものが型になります。

  • 何字以内か「三十字以内」「二十五字以上三十字以内」など、字数の上限・下限
  • 理由を問われているか「なぜですか」「理由を説明しなさい」など、聞かれているのが理由か心情か様子か
  • いくつ答えるか「二つ挙げなさい」「三つとも本文中から」など、答えの数
  • 本文中の言葉でと指定されているか、自分の言葉でまとめてよいのか

この四つを丸で囲んでから本文に向かうと、探している最中にも「これは理由を答える設問だから、文末は〜からで終わらせる」と早い段階で意識できます。逆に囲まずに解き始めると、内容が合っていそうな箇所を見つけた時点で満足してしまい、数や文末の条件は答えを書いたあとに初めて気づく、あるいは気づかないまま提出することになります。

設問例で確認する

「主人公が塾をやめたいと思った理由を、本文中の言葉を使って二つ、それぞれ二十字以内で書きなさい」という設問があったとします。先に四つを囲むと、字数は二十字以内、理由を問う設問、答えは二つ、本文中の言葉を使う、という条件が一目で並びます。

この状態で本文に向かうと、根拠探しの段階で「理由になっていそうな箇所」を見つけるたびに、字数と文末を同時に照らし合わせられます。本文中に理由らしき記述が三か所見つかっても、二十字を超える候補や、理由ではなく感想を述べているだけの候補は、その場で消去法にかけて外せます。候補を全部拾ってから最後に絞るのではなく、探しながら条件で削っていく方が、時間内に二つを確定させやすくなります。

文末も条件の一部です。理由を問う設問で「〜という気持ち」のように名詞で止まっている解答は、内容が理由を表していても文末条件から外れます。文末を条件に合わせて整えるところまでが解答で、この言い換えの発想は記述問題の換言と同じ力です。記述の手順を段階ごとに踏む練習は記述問題を解く5つのステップで扱っています。抜き出し形式で字数や範囲を絞り込む考え方は抜き出し問題の条件確認にも近い手順があるので、あわせて確認しておくと選択肢以外の設問でも同じ型が使えます。

選択肢問題でも条件は同じように働きます。「適切でないものを選べ」という設問の向きを読み違えたまま即答法で選んでしまう、あるいは消去法で切った理由を言えないまま記号だけ選んでしまう、という失点は、設問文の向きを先に確認していれば防げるものです。選択肢の解き方そのものは選択肢問題の解法フレームにまとめていますが、どの解法を使う場合でも、解く前に設問条件を囲む手順は共通しています。

解答後にもう一度同じ順で見る

四つを囲んでから解いても、本文を読み進めるうちに条件を忘れてしまうことがあります。そこで、解答を書いたあとにもう一度、囲んだ順番のまま照合します。

  • 何字以内か、指定範囲を超えていないか、または短すぎないか
  • 理由を問われているのに、心情や様子の説明で終わっていないか、文末は条件に合っているか
  • 指定された数だけ答えているか、片方だけで止まっていないか
  • 本文中の言葉で答えるべきところを、自分の言葉に言い換えてしまっていないか

この確認を、書く前と書いたあとの二段階で行うのがポイントです。書く前の確認だけでは、探している途中で条件を忘れてしまうことがあります。書き終えた直後にもう一度同じ順で照らし合わせる習慣をつけておくと、条件の見落としの多くはその場で自分で気づけるようになります。

家庭でできる練習

  • 設問を解かせる前に、字数・理由か心情か・数・本文中の言葉かの四つに丸をつけさせる
  • 答え合わせのとき、不正解の原因が内容のずれか条件の見落としかを分けて記録する
  • 「二つ挙げなさい」のように答えの数が指定された設問だけを集めて、両方揃っているかを確認する練習をする
  • 解答を書いたあと、丸をつけた四つの条件と同じ順番で読み返す習慣をつける

最後の項目がとくに効きます。順番を決めておくと、テストの緊張の中でも同じ手順を再現しやすくなります。設問条件の見落としは、読解力そのものの不足ではなく、確認する手順が抜けているだけというケースが実際の指導の中でも珍しくありません。まずは解く前の10秒を、条件を丸で囲む時間にあててみてください。

個別指導のご相談

設問条件のどこを見落としやすいかは、実際の答案を見ながら一緒に確認すると癖がつかみやすくなります。家庭での練習だけでは条件の見落としが抜けにくいと感じたら、国語先生.COMの個別指導で答案を見ながら調整することもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからどうぞ。