中学受験国語の理由問題で答えが結論だけになる、原因を足す手順
理由を聞かれたのに、傍線部の行動や状態を言い換えただけの答案になることがあります。文末が「〜から。」でも、その原因が書かれているかを確かめます。
この症状の正体は単純で、傍線部の内容をそのまま結論として繰り返しているだけで、その結論を引き起こした原因が答案の中に一つも入っていないことです。理由問題は「結果はこれです」と確認する問題ではなく、「その結果がなぜ起きたか」を説明する問題なので、原因が抜けた時点で設問の要求に応えていません。
答えが短くなる子に共通する手の動き
傍線部の内容を言い換え、文末を「〜から。」に変えるだけでは、理由にならないことがあります。本文に戻って原因を確かめたかを見ます。
これは根拠探しの手順が抜けている状態です。設問が説明を求める行動や状態を結果として置き、本文から背景を探します。傍線部の内容を換言しただけの文は、結果を別の言葉で繰り返しているだけになり、理由を説明できません。
短い答案になっている場合も、字数だけで不足と決めません。設問で求められた理由が含まれているかを、本文と比べます。
原因を足す前に、結果を固定する
答案に原因を足すためには、まず何が結果なのかをはっきりさせる必要があります。傍線部の内容を結果として固定し、それ以外の本文の記述を原因の置き場所として扱うと決める。この区別がつかないまま本文を読み返しても、どの記述が理由になりうるのか判断できません。
結果を固定したら、マクロの視点で本文を場面ごとのブロックに分けます。傍線部がどの場面のどの位置にあるのかを確認し、その場面に至るまでの出来事や心情の変化を候補として絞り込みます。原因と結果の向きを取り違えないための細かいチェック手順はこちらの記事で扱っていますが、今回のテーマはそれ以前の段階、つまり候補すら本文から探してきていない答案をどう直すかです。
原因候補を見つける根拠探しの範囲
根拠探しは傍線部の直前だけを見ればよいわけではありません。本文の流れを踏まえ、関係する段落や場面へ範囲を広げます。理由が後から説明されることもあるので、前方だけに限定しません。
次のような手順で範囲を広げていくと、見落としが減ります。
- 傍線部の直前の一文に、結果へつながる記述がないか確認する
- なければ同じ段落の冒頭まで戻って読み直す
- それでもなければ、その場面が始まった地点まで戻り、場面全体の流れを掴み直す
- 心情語がない場面では、人物の行動や発言の変化から心情を読み取る
心情語そのものが本文に出てこない場面で行動から気持ちを読み取る方法はこちらの記事で詳しく扱っています。原因が心情の変化である場合、本文に「悲しかった」のような直接的な言葉がなく、行動の描写だけが手がかりになっていることが珍しくありません。
原因が見つかったら、因果の一文に仕上げる
原因の候補が見つかったら、すぐに答案用紙に書き写すのではなく、一度「(原因)だから、(結果)。」という形の一文に当てはめます。
例えば「由美は、発表会の前日にピアノの練習をやめてしまった。なぜか」という設問があるとします。結論だけで終わる答案は「練習をやめたかったから。」のような形になります。これは結果の言い換えにすぎません。
本文を場面の冒頭まで戻って読み直すと、「これ以上練習しても、緊張で頭が真っ白になる自分の姿しか想像できなかった」という記述が見つかったとします。これを原因候補として、先の型に当てはめます。
「緊張で頭が真っ白になる自分の姿しか想像できなかったから、練習をやめてしまった。」
この一文を本文と比べ、緊張への不安が練習をやめた理由として描かれているかを確かめます。対応していれば、文末を設問の形式に合わせて整えます。「これ以上練習しても、緊張で頭が真っ白になる自分の姿しか想像できなかったから。」とすれば、原因を含んだ答案になります。
原因が二つ必要な設問もある
一つの行動に、複数の事情が関わることもあります。必要な要素の数は字数だけで決めず、設問と本文を照合して判断します。
字数が余ったら、設問に答える要素を落としていないかを確かめます。必要な内容がそろっていて字数の下限も満たすなら、余白を埋めるために原因を足しません。複数の要素を組み立てる手順は記述の5ステップで確認できます。
家庭でできる練習
答案が結論だけで終わっていないかを確認するには、子どもが書いた答案を「(原因の部分)だから、(結果の部分)だね」と声に出して区切って読んでみるのが手早い方法です。原因の部分が存在しない、または傍線部の言い換えしか入っていない答案は、この読み方をすると原因の部分が空白になっていることがすぐに分かります。
もう一つ有効なのは、答案を提出する前に「この答えの中に、本文から持ってきた原因の言葉が入っているか」を自分で指差し確認させることです。傍線部と違う語があるだけでは十分ではありません。その語句が、本文で原因として描かれているかを確かめます。
本文全体をマクロで捉えたうえで、傍線部という一点をミクロで確定していく読み方の土台はこちらの記事で整理しています。理由問題で結論だけの答案から抜け出すには、この読み方を理由問題用に適用する練習を積み重ねることが近道です。
個別指導のご相談
原因を足す作業は手順さえ分かれば難しくありませんが、本文のどこまで読み返せばよいかの判断はひとりでは身につきにくい部分です。一緒に答案を見ながら練習したい場合は、国語先生.COM の個別指導をご利用ください。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。