中学受験国語の偏差値が上がらない本当の理由と伸ばす順番
国語の偏差値が上下するときは、点数だけで勉強の進め方を決めず、複数回の答案を比べます。言葉の意味、本文の読み取り、設問条件、書き方のどこで失点したかを確かめると、次に練習する内容を選べます。
国語の偏差値はなぜ動きにくく見えるのか
まず知っておきたいのは、国語という科目そのものの性質です。漢字や語彙のように暗記で積み上がる部分と、読解や記述のように運用力が問われる部分が混ざっているため、勉強量と点数が比例しにくくなっています。
さらに、同じ「読解」という括りの中でも、出題される文章の難易度や設問の作り方によって、同じ実力の子でも偏差値が上下することがあります。文学的文章が得意な子が説明的文章の回でつまずく、記述の配点が高い回だけ点が伸びない、といった具合です。この振れ幅を「調子の問題」で片づけてしまうと、本当の原因を見逃したまま、次の模試でも同じ揺れを繰り返すことになります。
つまり国語で必要なのは、一回一回の点数に一喜一憂することではなく、複数回の結果をまたいで「どのタイプの設問で失点しているか」を追いかける視点です。
語彙・読み方・記述を確かめる
失点した問題を見ながら、まず次の点を確かめます。時間不足や設問条件の見落としなどもあるため、この3つだけで原因を決めません。
- 語彙不足。設問や本文に出てくる言葉の意味そのものが分かっていない
- 読み方の型がない。本文は読めているのに、設問にどう対応すればいいか手順が定まっていない
- 記述の失点。読めているし方向性も合っているのに、書き方で減点されている
この3つを混同したまま「もっと読解問題を解かせよう」とすると、たとえば本当の原因が語彙不足の子に読解演習だけを積ませることになり、時間をかけた割に偏差値が動かないという事態が起きます。
診断1:語彙不足を見分ける
解き直しでは、意味を説明できない語を本文や選択肢から探します。知らない語の数だけで判断せず、その語を読み違えたことで、文や設問の理解がどう変わったかを確認します。
例えば「筆者はこの記述に懐疑的な立場を取っている」という一文で「懐疑的」の意味があいまいなら、筆者の主張の方向そのものを取り違えてしまいます。選択肢問題で消去法を使おうとしても、選択肢の言葉の意味が分からなければ消去のしようがありません。
語彙不足が疑われる場合、読解演習を増やす前にやるべきことは語彙の補強です。小4のうちにこの土台を作っておく重要性についてはこちらの記事で詳しく扱っています。学年が上がってから気づいた場合も、遅すぎるということはありませんが、読解演習と並行して語彙の補強を独立した時間として確保する必要があります。
診断2:読み方の型がないケース
語句の意味を理解できていても、本文全体の流れと設問の関係を捉えられないことがあります。傍線部の周辺だけで答えを決めていないか、本文に戻る手順を確かめます。
この解き方だと、本文全体の主張や場面の流れ(マクロ)を掴まないまま、設問のたびに部分的な読み返し(ミクロ)を繰り返すことになります。読み返す箇所を毎回探すこと自体に時間がかかるうえ、本文全体の文脈とずれた解釈をしてしまうことも珍しくありません。
読み方の型についてはこちらの記事でマクロ→ミクロの順序を詳しく解説していますが、要点だけ述べると、本文を読み終えた瞬間に「どんな話だったか」を一文で言えるかどうかが分かれ目です。これが言えない場合、設問に入る前の段階でつまずいています。
選択肢問題であれば、マクロで方向性を決めたうえで即答法や消去法を使い、抜き出し問題であれば、マクロで見当をつけた段落から探し、見つからなければ関係する箇所へ範囲を広げる、というように、設問ごとに本文の根拠と照合します。
診断3:記述で失点しているケース
語彙も読み方も問題ないのに、記述だけで点数を落としているケースもあります。この場合、本文の理解は正しいのに、答案の書き方が原因で減点されています。
記述では、本文の語句を使うこと自体は誤りではありません。例えば理由を聞かれたのに、傍線部の出来事を繰り返しただけなら説明が足りません。問われた内容に答える根拠を、本文から集めてつなぎます。
書く前に答える内容・字数・答え方を決め、本文から必要な要素を集めます。具体的な手順は記述を5つのステップに分けた記事で確認できます。解き直しでは、必要な要素を選べたか、答案に書けたかを分けて見ます。
伸ばす順番:知識→読み方→記述
3つの原因を切り分けたら、手を打つ順番も大切です。語彙などの知識が足りていない状態で読み方の型を教えても、本文の意味そのものが取れていないので型が機能しません。同様に、読み方が定まっていない状態で記述の書き方だけを練習しても、根拠となる本文の理解が曖昧なままなので、答案の中身が空虚になりがちです。
そのため、知識(語彙)→読み方(型)→記述(書き方)のどこで止まったかを確かめます。練習は必要に応じて並行して進めます。すでに語彙が十分にある子であれば読み方から始めればいいですし、読み方の型がすでにある子であれば記述の練習に集中すればいい、というように、診断結果に応じて開始地点を変えるのが現実的な進め方になります。
偏差値の動きをどう見ればいいか
原因を切り分けて手を打ち始めても、偏差値は翌月の模試ですぐには反映されないことが多いです。単発の点数ではなく、同じタイプの設問での正答率が回を追うごとに上がっているかで進捗を見るようにしてください。
読むこと自体に時間がかかりすぎて時間切れになっている場合は、原因がまた別の角度にあります。その対策はこちらの記事で扱っています。
個別指導のご相談
国語の偏差値が上がらない原因は、子どもによって語彙・読み方・記述のどこにあるかがそれぞれ違います。自己判断が難しい場合は、国語先生.COM の個別指導で一緒に原因を切り分け、伸ばす順番を組み立てることもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。