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中学受験国語の選択肢、「すべて」と「一部」で答えが変わる

選択肢に「すべて」「一部だけ」「多く」とあると、言葉の強さだけで答えを決めたくなります。しかし、本文に書かれた範囲と選択肢の範囲が同じかを見なければ、消去の根拠になりません。「すべて」は本文どおりなら正しく、「一部」はいつでも誤りになるわけではありません。

迷ったときは、選択肢の数量や範囲を表す語に印を付け、本文の対応箇所と並べます。全員なのか、何人かだけなのか、十のうち八なのか。範囲と程度を分けて確かめると、言い過ぎに見える選択肢と、実際に本文からずれた選択肢を区別できます。

本文から言えることと、範囲を正確に表すことは別です

本文が「十クラスのうち八クラスで関連が見られた」と述べているなら、「一部のクラスで関連が見られた」は論理的には否定できません。八クラスは十クラスの一部だからです。「多く」と「一部」が同じではないというだけで、後者を不一致とは言えません。

一方で、設問が「本文の範囲を正確に表す選択肢」や「最も適切な要約」を求める場合は、八という範囲を十クラス全体や二クラスだけに変えていないかを確かめます。このとき求められるのは、本文から言える最小限の内容ではなく、本文が示した範囲を保った説明です。設問の聞き方と選択肢全体を読んで、どちらを比べる問題なのかを先に決めます。

選択肢の一部だけが本文に合う問題では、主語、理由、結論に加えて範囲の語も部品として照合します。部分一致を見抜く手順を使うと、範囲のずれを一つの部品として扱えます。

「解消」の程度と、地域の範囲を分ける

次の文章は架空の例です。

「十自治体のうち二自治体では、高校生や大学生のボランティアを募る仕組みがあり、その仕組みにより、二自治体では担い手不足が解消されている。」

設問が本文の範囲と程度を正確に表す選択肢を問うとします。

  • A 十自治体すべてで、ボランティアを募る仕組みにより担い手不足が解消されている。
  • B 二自治体では、ボランティアを募る仕組みにより、担い手不足の一部だけが解消されている。
  • C 二自治体では、ボランティアを募る仕組みにより担い手不足が解消されている。

正解はCです。Aは、本文の「十自治体のうち二自治体」を「十自治体すべて」に広げています。Bは、本文の「担い手不足が解消されている」を「一部だけが解消」と弱めています。本文は不足が解消されたと述べており、Bのように不足が残っている状態とは異なります。

ここで「解消されている」は、選ばれた二自治体の中で担い手不足がどうなったかという程度を表します。「すべて」が付く場合も、何がすべてなのかを分けて読みます。十自治体すべてを指すのか、二自治体の中の担い手不足がすべて解消されたことを指すのかで、範囲が違います。地域の広さと問題の解消の程度を一つの言葉として扱うと、本文にない範囲まで広げてしまいます。

十クラス中八クラスなら、八を残す

次の架空の本文も見てみましょう。

「調査した十クラスのうち八クラスで、朝の読書時間が長いほど、語彙の確認問題で正答する割合も高かった。」

設問は「本文の範囲を正確に表すものを選びなさい」です。

  • A 調査した十クラスすべてで、朝の読書時間が長いほど正答する割合も高かった。
  • B 調査した十クラスのうち二クラスだけで、朝の読書時間と正答する割合に同じ傾向が見られた。
  • C 調査した十クラスのうち八クラスで、朝の読書時間が長いほど正答する割合も高かった。

正解はCです。Aは八を十に変え、Bは八を二だけに変えています。どちらも本文の範囲と合いません。「一部のクラスで同じ傾向が見られた」という文だけなら、本文から言える内容ではあります。しかし、この設問では八クラスという範囲を正確に表す選択肢を選ぶため、範囲をぼかした文よりCを選びます。

数で確かめられる例では、強い語を機械的に消去する必要がありません。本文と異なる数、全員への拡大、二つだけへの限定を見つけたときに消去法を使います。即答法という言葉だけを理由に選択肢を外さず、本文のどの数や範囲と違うのかを示してください。

マクロから対応箇所を探す

範囲の語だけを探す前に、本文全体で何について述べているかをつかみます。ある段落が自治体全体の話なのか、二自治体の事例なのか、読書時間と正答率の関係なのかを取り違えると、同じ「すべて」でも何を指すかが変わります。本文をマクロからミクロへ読む手順は、読解の型で確認できます。

そのうえで選択肢を読み、主語、数量、程度、理由、結論を本文の対応箇所へ戻します。一つでも本文にない限定や拡大があれば、その箇所が消去の根拠です。選択肢問題で根拠を短く確認して判断する練習は、選択肢の解法フレームも参考になります。

家庭でできる練習

本文と選択肢を並べ、まず「全員」「一部だけ」「十のうち八」などの言葉に丸を付けます。次に、その丸が本文のどの語と対応するかを線で結びます。答えを選んだあとは、「本文から言える」だけなのか、「設問が求める範囲を正確に表す」のかを口に出して確かめます。

数が書かれていない文章では、範囲を勝手に数字へ置き換えません。「多く」「一部」「場合によっては」などは、本文にある言葉のまま扱います。本文の語より広げたり、狭めたりしていないかを確認することが、選択肢の根拠探しになります。

個別指導のご相談

選択肢の範囲や程度を本文と照合する練習を、お子さんの答案に合わせて確認したい場合は、国語先生.COMのページから詳細をご覧いただくか、公式LINEからご相談ください。