中学受験国語で「適切でないもの」を選ぶときの確認法
「適切なものを選びなさい」のつもりで解いていたら、設問は「適切でないものを選びなさい」だった。本文と選択肢を正しく照合できても、どちらを答えるのかを取り違えると誤答になります。選択肢の正誤を判定する作業と、設問に合わせて記号を選ぶ作業を分けて確認しましょう。
設問の条件全般については設問条件を読み落とす子への10秒チェックでも扱っています。ここでは、誤っている選択肢を選ぶ形式で、本文との一致と解答の記号をどう確かめるかを整理します。
判定と解答は別の作業
適切でないものを選ぶ設問では、子どもの頭の中にまず「どれが正しくて、どれが誤っているか」という判定が生まれます。ここまでは「適切なものを選べ」でも「適切でないものを選べ」でも同じ作業です。本文に合っている選択肢を見つけても、それが設問の求める答えかどうかを確認する作業が残っています。
- 選択肢を一つずつ、本文と照らして正誤を判定する
- 判定結果を踏まえて、設問が聞いている向き(正しいものか、誤っているものか)に合わせて記号を選ぶ
この二段目を踏まずに一段目で止まってしまうと、「一番おかしいと思った選択肢」を選ぶつもりが「一番それらしいと思った選択肢」を選んでしまう、あるいはその逆が起こります。判定そのものが正確でも、解答の向きを変換する作業が抜けていれば点数には結びつきません。
実演 四択で向きを変換する
次の練習用の架空の文章で確認します。
「図書委員会は、昼休みに本の紹介会を開くことにした。紹介する本は、各学級から一冊ずつ推薦してもらう。推薦用紙には、本の題名と薦める理由を書く。紹介会で話す役は、図書委員の中から希望者を募って決める。」
設問は「本文の内容として適切でないものを一つ選びなさい」です。
- ア:本の紹介会は昼休みに開かれる。
- イ:各学級は、紹介会で話す人を一人ずつ選ぶ。
- ウ:推薦用紙には、本の題名と薦める理由を書く。
- エ:紹介会で話す役は、図書委員の中から希望者を募って決める。
まず判定します。アは本文の一文目、ウは三文目、エは四文目と一致します。イは一致しません。各学級が推薦するのは一冊の本であり、話す人ではありません。話す役を決める方法も、図書委員の中で希望者を募ると書かれています。
本文にある「各学級」という語が使われていても、その後ろの「何を選ぶか」が違えば、本文の内容には合いません。選択肢を「誰が」「何を」「どうする」に分けて照合すると、違いを具体的に説明できます。
問題はここからです。設問は「適切でないもの」を聞いているので、答えるべき記号は判定で「不適切」と出たイになります。もし設問を「適切なもの」と思い込んで解いていたら、ア・ウ・エのどれかを選んでしまい、判定自体は合っていたのに記号を誤答することになります。判定結果の表と、設問の向きとを別々に意識しておかないと、この変換のところで取り逃しが起きます。
不適切なものが二つ残ったとき
一つ選ぶ問題で、不適切と思える選択肢が二つ残ったら、判定を確かめ直します。どちらかの選択肢で、本文と同じ内容の言い換えを誤りと見なしているかもしれません。反対に、表現が似ているために、対象や理由の違いを見落としている場合もあります。
- それぞれの選択肢で「ここが本文と違う」と考えた語句に印をつけます。
- 対応する本文を読み、語句の違いだけなのか、意味や条件も違うのかを確かめます。
- 設問が「一つ」か「二つ」か、「最も適切でないもの」かも読み直します。
本文だけでは決められない場合は、根拠を言えないまま○や×を確定させず、いったん「?」を付けて残します。時間があれば、ほかの選択肢と比べながら本文の範囲を広げて確認してください。
この形式では、本文との不一致が見つかった選択肢が答えの候補になります。「消去する」とだけ考えると、その記号を答えから外してしまうことがあるので、「本文に合う」「合わない」を書き分けます。本文と照合する手順は選択肢問題の解法フレームも参考にしてください。
答案に残す一手間
判定と解答の変換を頭の中だけで済ませると、見直しのときに自分がどこで間違えたのか分かりません。選択肢を判定した段階で、問題冊子に次のような記号を残しておくと見直しがしやすくなります。
- 本文と合っている選択肢に○
- 本文と合っていない選択肢に×
- 設問が聞いている向き(適切でないもの、など)に下線を引く
- ○×の記号と設問の向きを見比べて、解答欄に書く記号を決める
この一手間を挟むと、「×をつけた選択肢がどれだったか」と「設問が聞いているのはどちらか」が答案上に別々に残るので、解答欄に書く直前にもう一度確認できます。見直しのときも、○×の判定自体は合っていたのに記号を書き間違えたのか、判定自体がそもそもずれていたのかを区別できます。これは記述問題の見直しで原因を切り分ける考え方と同じで、根本の読解力を見直す前に、まず作業手順のどこで崩れたかを特定する姿勢が共通しています。
マクロ→ミクロの読み方で本文全体の大づかみができていないと、選択肢の判定そのものに時間がかかり、設問の向きを確認する余裕が最後までなくなります。読み方の土台を整えたい場合は読解の型の記事も参考にしてください。
家庭でできる練習
- 過去に解いた選択肢問題の設問文を見返し、「適切なものを選べ」か「適切でないものを選べ」かに丸をつけさせる
- 選択肢ごとに○×をつける作業と、解答欄に記号を書く作業を声に出して分けて説明させる
- 「適切でないものを選べ」の設問だけを集めて、指定された個数と、本文に合わないと判断した選択肢の個数を照らして読む練習をする
- 不正解だった問題を見直すとき、判定が間違っていたのか、向きの変換を間違えていたのかを分けて記録する
解き直すときは、本文との照合を誤ったのか、求められた記号を取り違えたのかを分けます。前者なら対応箇所の読み直し、後者なら解答欄に書く直前の条件確認を練習します。同じ不正解でも、次に確かめる場所を具体的に決められます。
個別指導のご相談
判定と解答の変換でどこがつまずきやすいかは、実際の答案を見ながら確認すると癖がつかみやすくなります。ひとりで練習を続けるのが難しいときは、国語先生.COMの個別指導で一緒に確認する方法もあります。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからどうぞ。