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『なぜ』が答えられない中学受験国語 理由問題の解き方

「なぜ健一は大会に出ないと言ったのか、説明しなさい」という設問に対して、「大会に出たくなかったから」としか書けない子がいます。これは理由になっていません。傍線部の内容をそのまま繰り返しているだけで、「なぜ」の答えになっていないからです。

理由問題は、傍線部を結果だと考え、本文の中から原因にあたる出来事・事情を探し出す設問です。原因は傍線部の近くにあるとは限らず、離れた場所に伏線として置かれていることも珍しくありません。

理由問題で失点するパターン

理由問題の答案でよくある失点は、次の2つです。

  • 傍線部の内容を言い換えただけで、原因になっていない(同義反復)
  • 本文にない理由を、自分の想像で補ってしまう

同義反復は、「なぜ〜か」と「何が起きたか」を混同しているために起こります。想像で補ってしまうのは、原因が本文中に見つからず、焦って自分の経験で埋めてしまうケースです。共通しているのは、本文全体の流れから原因を探す手順を踏んでいない点です。

傍線部を「結果」とみなす

理由問題を解く最初の一歩は、傍線部そのものを結果だと割り切ることです。「健一は大会に出ないと言った」という傍線部があれば、この発言自体が結果であり、答えるべき原因を本文から探します。原因が傍線部の後で説明される場合もあります。

結果を先に固定してしまうと、探すべきものが原因だけに絞られるので、本文を読み返す範囲が定まります。これは記述問題全般で使うゴール設定と同じ考え方で、理由を説明する形を仮に決め、文末の指定があれば従います。記述問題の基本の型はこちらの記事で解説しています。

結果から原因へさかのぼる因果の型

手順 やること
1 結果を確定 傍線部の内容をひとつの出来事として言葉にする
2 探す範囲を決める 本文全体の話題や場面から、結果につながる箇所を候補にする
3 原因の候補を探す 結果と直接つながる行動・発言・事情を探す
4 因果でつなぐ 原因から結果の順に、ひとつながりの文にする

このとき、原因の候補は1つとは限りません。健一の例で言えば、怪我が治りきっていないという事情と、後輩に道を譲りたいと考えたという気持ちの両方が本文にあれば、設問の条件と字数に応じて必要なものを拾います。根拠の数は固定せず、本文と設問に照らして決めます。

文末「〜から」「〜ため」の使い分け

理由を説明する文末の例に「〜から。」「〜ため。」があります。この二つに限定されるわけではありません。以下は使い方の例です。

「〜から」は、心情や主観的な事情を理由にするときに使いやすい形です。「怪我が治っていないと感じたから。」のように、本人の受け止め方を含む理由に向いています。一方「〜ため」は事実や事情そのものを述べる形で、「怪我が完治していなかったため。」のように、感情を交えずに理由だけを示したいときに使います。

「から」「ため」だけで得点は判断できません。設問に文末の指定があれば従い、指定がなければ、本文の理由を自然に説明する形を選びます。

換言(言いかえ)で答えの形を整える

本文中の原因の記述を、そのまま抜き出しただけでは字数や文末が合わないことがよくあります。ここで使うのが換言です。本文の言葉を、設問が求める文末・字数に合わせて言いかえます。

例えば本文に「思うように体が動かず、これ以上迷惑をかけたくないと考えた」とあれば、「体が本調子でなく、周囲に迷惑をかけたくなかったから。」のように、意味を保ったまま短く言いかえます。本文の言葉を一字一句そのまま使う必要はなく、意味の骨組みを保ったまま形を変えてよいという点を押さえておくと、字数調整が楽になります。

実例で解いてみる

「健一は、大会に出ないと顧問に告げた。なぜこのように言ったのか、説明しなさい」という設問があったとします。

まず傍線部を結果として固定します。「大会に出ないと告げた」がそれです。次に、本文全体の場面や話題を整理し、怪我や部内の様子に触れている段落を候補として絞ります。そこに「思うように体が動かず、これ以上迷惑をかけたくないと考えた」という一文があれば、これが原因です。

最後に換言して文末を整えます。「体が本調子でなく、周囲に迷惑をかけたくなかったから。」という形に組み上げれば、結果に対応する原因を、設問が求める文末で答えたことになります。

心情問題ともつながる読み方

心情の変化を問われたときも、変化の前後と、本文で描かれたきっかけを照合します。明示されない事情を自分で作って埋めないでください。心情問題の読み取り方も参照できます。

原因を探す範囲をマクロで絞り、ミクロで確定するという順序そのものは、読解の型全般に共通しています。土台になる読み方はこちらの記事でまとめています。


個別指導のご相談

「結果から原因をさかのぼる」型は、実際の設問を数多くこなして初めて手が動くようになります。ひとりで理由問題の型を身につけるのが難しい場合は、国語先生.COM の個別指導で一緒に練習することもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。