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中学受験国語の抜き出し問題で場所が見つからない子の探し方

「抜き出し問題で、そもそも答えがどこにあるか分からない」。時間切れとはまた別に、この悩みを抱える子は多くいます。

抜き出し問題の時間切れについてはこちらの記事でマクロ→ミクロの手順を解説しましたが、あの手順を知っていても止まってしまう子がいます。ブロックまでは絞れるのに、その中のどの一文が答えなのか判断できず、結局勘で選んでバツになる。今日はこの「絞り込んだ先で止まる」状態を抜け出すための、3つの具体的な手がかりを扱います。

「見つからない」の正体は読解不足ではない

抜き出し問題で固まる子を見ていると、ほとんどの場合、本文の内容自体は理解できています。読めていないのではなく、探し方の手がかりを持っていないのです。

設問文をそのまま覚えて本文に戻り、同じ言葉を目で追いかける。これでは見つかりません。中学受験国語の抜き出し問題は、設問の言葉がそのまま本文に出てくるようには作られていないからです。答えの一文は、設問とは違う言葉で書かれています。この前提を持たずに探し続けると、正しい範囲を何度も素通りしてしまいます。

だから必要なのは、もっと精読しろという根性論ではなく、どこに目を止めるかという具体的な着眼点です。ここでは条件語、傍線部前後、言いかえの3つに絞って説明します。

手がかり1 条件語から探す範囲を決める

条件語とは、設問文の中で「何を抜き出すべきか」を規定している言葉です。理由、心情、様子、行動、きっかけ。この語が違えば、探すべき本文の種類がまるで変わります。

例えば「太郎が黙り込んだ理由を抜き出しなさい」であれば、条件語は理由です。理由を表す一文は、多くの場合「〜から」「〜ので」という形か、あるいは直前の出来事そのものとして書かれています。感情の描写(悲しかった、悔しかった)を探しても、理由そのものではないので条件を満たしません。

一方「太郎の様子を抜き出しなさい」であれば、探すべきは行動や表情の描写です。理由の一文を持ってきても、様子という条件からは外れます。

条件語を最初に確認せずに探し始めると、理由を聞かれているのに気持ちの描写を抜き出してしまう、というズレが起きます。本文に戻る前に、まず条件語に丸をつけて「何を探しているか」を一言で言えるようにしておくことが、見つからない状態を防ぐ最初の一歩です。

手がかり2 傍線部の前後に手を伸ばす

抜き出し問題の答えは、傍線部からかなり離れた場所にあると思い込んでいる子がいます。実際には、多くの答えは傍線部の直前・直後、せいぜい2、3文以内に収まっています。

本文全体を読み返す前に、まず傍線部の直前の一文、直後の一文を確認する。これだけで見つかる設問は少なくありません。特に理由を問う設問では、傍線部の直前に原因となる出来事が書かれているケースが多く見られます。傍線部の後ろにその結果としての行動や心情が続く、という構成もよくある形です。

傍線部前後を確認して見つからない場合に、初めて段落単位、さらに本文全体へと範囲を広げます。順番を逆にして本文全体から始めると、近くにあった答えを素通りしてしまうことがあるので、狭い範囲から確認する順序を崩さないようにします。

手がかり3 同じ意味の言いかえ(換言)を探す

3つの中でいちばん見落とされやすいのがこれです。設問文の言葉をそのまま本文中に探しても、たいてい見つかりません。答えの一文は、設問文とは別の言葉、別の言い回しで書かれているからです。

先ほどの「太郎が黙り込んだ理由」の例で言えば、本文中には「黙り込んだ」ではなく「何も言い返せなかった」、「理由」に対応する部分は「もう反論する気力もなかった」のような形で書かれているかもしれません。「黙り込んだ」と「理由」という言葉そのものを探しても一致する箇所は本文にないので、いつまでも見つからないという状態になります。

言いかえを探す練習としては、設問文中の重要な語をひとつ選び、「これを別の言葉で言うとしたら」を子ども自身に考えさせる方法が有効です。選択肢問題の根拠探しでも同じ換言の力を使いますが(こちらの記事で選択肢問題側の解法フレームを扱っています)、抜き出し問題ではこの換言を自分の頭の中でだけ行い、本文中の該当箇所を見つけ出す必要がある分、負荷が高くなります。

3つの手がかりを使う順番

止まってしまったときは、次の順に確認させます。

  • 条件語を確認する 理由なのか、様子なのか、心情なのか
  • 傍線部の直前・直後2、3文を先に見る
  • そこで見つからなければ、設問文の重要語を言いかえて本文中を探す
  • それでも見つからなければ、段落単位まで範囲を広げてマクロ→ミクロで絞り込み直す

この順番のポイントは、狭い範囲、かつ言葉そのものではなく意味で探すという発想を先に試し、それでもだめなときに初めて範囲を広げることです。いきなり本文全体を読み返す子は、この手前の3段階を飛ばしてしまっています。

家庭でできる練習

  • 抜き出し問題を解かせる前に、条件語(理由・様子・心情・行動)に丸をつけさせる
  • 答え合わせのとき、正解の一文が設問文のどの語の言いかえになっているかを指させる
  • 傍線部の直前・直後だけを見て解ける設問と、段落単位まで戻る必要がある設問を分けて集め、前者から優先的に練習する
  • 「見つからない」と言われたら、すぐ答えを教えずに「条件語は何?」とだけ聞き返す

最後の練習が特に効果があります。答えを教えてしまうと、その場では解決しても次の設問でまた同じところで止まります。条件語を聞き返すだけにしておくと、子ども自身が「まず何を確認すべきか」を思い出す回路ができていきます。

見つからないまま時間だけが過ぎる子への注意点

見つからない状態が続くと、多くの子は焦って本文をもう一度最初から読み直します。これは悪いことではありませんが、同じ読み方をもう一周しても、見つからなかった理由(条件語を確認していない、言いかえに気づいていない)が解消されていなければ、また同じところで止まります。

読み直す前に、いったん条件語と傍線部前後の確認に戻らせる。これだけで、無駄な二周目、三周目を減らせます。抜き出し問題で時間を失う原因の多くは、読む速さではなく、同じ探し方を繰り返してしまうことにあります。読解の土台になるマクロ→ミクロの型そのものについてはこちらの記事で詳しく扱っているので、そもそも本文の構造を掴む段階でつまずいている場合は、そちらから確認することをおすすめします。

抜き出し問題は、才能で解く設問ではありません。条件語、傍線部前後、言いかえという3つの手がかりを順番通りに確認する習慣がつけば、多くの場合「見つからない」という状態そのものが減っていきます。

個別指導のご相談

条件語の見分け方や言いかえの練習は、実際の問題でつまずいた箇所を一緒に確認しながら進めるほうが定着しやすいものです。家庭だけで練習の型を作るのが難しいときは、国語先生.COM の個別指導で一緒に確認する方法もあります。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからどうぞ。