中学受験国語の抜き出し問題|マクロ→ミクロで時間切れを防ぐ
「抜き出し問題に20分かけて結局空欄」。中学受験国語の試験中で最も時間を奪うのが抜き出し問題です。
抜き出し問題には探し方の正しい順序があります。本文をやみくもに読み返すのではなく、マクロ→ミクロの順で範囲を絞っていけば、抜き出しは1問1分以内で終わります。この「マクロ→ミクロ」という読み方の土台についてはこちらの記事で詳しく説明していますが、抜き出し問題はこの型の効果がいちばんはっきり実感できる設問形式でもあります。
抜き出し問題で時間を失う原因
抜き出し問題で時間を失う子は、ほぼ全員「本文の最初から最後まで何度も読み返している」状態です。これでは時間がいくらあっても足りません。
なぜこうなるかというと、設問を読んだ瞬間に「探すべき場所の見当」をつけずに本文へ戻ってしまうからです。見当がないまま探すので、1回読んで見つからなければもう1周、それでも見つからなければまた最初から、という悪循環に陥ります。試験時間の後半になるほど焦りが強くなり、同じ段落を何度も読み直していることにすら気づかない、ということもよく起きます。
正しいやり方は、設問のキーワードから「だいたいここに書いてあるはず」を予想して、その近辺だけを精読することです。これは「マクロ→ミクロ」と呼ぶ手順で、抜き出し問題に限らず国語の設問全般に通じる考え方ですが、抜き出し問題ではとりわけ効果がはっきり出ます。答えの範囲が本文中のどこか一箇所に必ず存在するとわかっているぶん、絞り込みの精度がそのまま時間短縮に直結するからです。
マクロ→ミクロの探し方フロー
設問のキーワードを抽出
↓
本文を3〜5つのブロックに区切る(マクロ)
↓
キーワードと関係しそうな段落を1〜2つに絞る
↓
その段落内で文を1つずつ確認(ミクロ)
↓
字数・条件と照合して答えを確定
ステップ1:設問のキーワードから予想する
設問が「太郎が涙を流した理由を、本文中から〜字で抜き出しなさい」なら、キーワードは「涙」と「理由」です。本文を読みながら、すでに「涙を流した場面の前後に理由があるはず」と予想できる状態にしておきます。
これは音読・初読時の読み方の問題でもあります。初読でマクロ(全体構造)を掴めていないと、抜き出し問題のスタート時点で詰みます。初読の段階で「この文章はどんな話か」を一文で言えるようにしておくことが、抜き出し問題の対策そのものです。
ステップ2:本文をブロックに区切る
キーワードを抽出したら、次に本文全体をいくつかのブロックに区切ります。ここでいうブロックとは、段落記号ごとの区切りとは限らず、話のまとまりでとらえた本文の塊を指します。段落記号ごとに区切ってもよいですし、話の展開が変わる箇所(場面転換、話題転換)で区切ってもかまいません。長い文章なら3〜5ブロック程度、短い文章なら2〜3ブロックで十分です。
このとき、一字一句を読む必要はありません。各ブロックの最初と最後の一文だけをざっと見て、「このブロックは何の話をしているか」を一言でつかめれば十分です。これがマクロの作業にあたります。
ステップ3:関係しそうなブロックを絞り込む
ステップ1で立てたキーワードの予想と、ステップ2で区切ったブロックの内容を照らし合わせます。「涙」「理由」というキーワードであれば、太郎の心情が動く場面が描かれているブロックが候補になります。ここで1〜2ブロックまで絞り込めれば、精読すべき範囲は本文全体の3分の1以下になっています。
絞り込みに自信が持てない場合は、候補を2つ残しておいてかまいません。無理に1つに決めつけて外すよりも、2つの候補をミクロで確認しにいくほうが結果的に速く済みます。
ステップ4:ブロック内を文単位で精読する(ミクロ)
絞り込んだブロックの中で、ようやく文を1つずつ丁寧に読みます。ここでのポイントは、傍線部や設問文の言葉をそのまま本文中に探すのではなく、同じ内容を言いかえた表現(換言)を探すことです。中学受験国語の抜き出し問題では、設問文の言葉がそのまま本文に出てくることは少なく、たいてい別の言葉で言いかえられています。「涙を流した理由」であれば、本文中には「悲しかったから」ではなく「もう二度と会えないと思うと」のような、感情を直接名指ししない表現で書かれていることが多い、という点も意識しておくと見つけやすくなります。
ステップ5:字数・条件と照合して答えを確定する
候補の一文が見つかったら、最後に設問の条件(字数、文末の形、句読点を含むかどうか)と照合します。ここで字数が合わない場合、多くは抜き出す範囲がずれています。1文字前後にずらしてみる、あるいは一つ前後の文に候補を広げてみる、という微調整で対応できることがほとんどです。
字数がどうしても合わないときは、そもそもステップ3のブロック選びが間違っている可能性を疑います。別の候補ブロックに戻ってミクロをやり直すほうが、同じ段落の中で無理やり字数を合わせにいくより正確な答えにたどり着けます。
抜き出し問題によくある失敗パターン
もうひとつ、よく見る失敗があります。抜き出し問題を選択肢問題と同じ感覚で解いてしまい、「本文にありそうな言葉」を自分で作文してしまうケースです。抜き出しはあくまで本文中の文字列をそのまま写す設問なので、選択肢問題の即答法や消去法(選択肢の解法フレームはこちらの記事で解説しています)とは求められる作業がまったく違います。似ているようで別物だと意識しておくだけで、この種の失敗はかなり減ります。
あわせて注意したいのは、抜き出す範囲を欲張りすぎることです。「それらしい一文」をまるごと抜き出すのではなく、設問の条件(字数、文末の形)に過不足なく合う範囲だけを切り出す意識を持たせると、字数調整の手戻りが減ります。
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