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中学受験国語の模試復習は何からやる 選択肢・抜き出し・記述の優先順位

模試が返ってくると、点数の低い大問から順に直すことがあります。点数の低さだけでは、次に復習する設問を決めにくい場合があります。

理由は、点数の低さと復習の優先度が必ずしも一致しないからです。点数が低い大問は、たまたま初見の文章と相性が悪かっただけということも珍しくなく、そこだけ直しても次の模試では別の大問で似た失点が起きます。反対に、点数はそこそこ取れていても、勘で当たっただけの設問が紛れていることがあり、そこを放置したまま次に進むと、同じ種類の誤答が少しずつ積み重なっていきます。

点数順ではなく「根拠を再現できるか」で分ける

模試の直しで最初に確認したいのは、丸バツではなく、その設問の根拠をもう一度自分の言葉で説明できるかどうかです。

正解していても、なぜその答えになるのか説明できない問題は、たまたま合っただけで、次に同じ型の設問が出たときに再現できる保証がありません。逆に不正解でも、根拠までは正しく本文に見つけられていて、最後の一歩でずれただけという問題もあります。前者は正解でも復習の対象にすべきで、後者は不正解でも比較的直しやすい部類に入ります。

だから最初の作業は、正解・不正解の見直しではなく、大問ごとに一問ずつ「この根拠、本文のどこか指させる?」と確認していくことです。指させない問題が、その回でいちばん優先すべき問題になります。

設問タイプ別に誤答を分ける

根拠を再現できない問題が絞れたら、次はその問題を選択肢・抜き出し・記述の三つに分けます。同じ「根拠を再現できない」でも、つまずいている場所が設問のタイプによって違うからです。

  • 選択肢 消去法の途中で根拠に戻らず、語感や印象で選んでいないか
  • 抜き出し 該当箇所の見当はついているが、字数条件や指定された形に合わせられていないか
  • 記述 要素は本文から拾えているが、設問の聞き方に合わせて組み立てられていないか

選択肢問題で根拠を再現できない場合は、本文から答えを考えたあとに、選択肢を本文と照らす手順が抜けていないかを確かめます。この解法の使い分けは選択肢問題の即答法と消去法の使い分けにまとめているので、選択肢の誤答が続くようなら確認してみてください。

抜き出し問題では、本文の場所自体は合っているのに、字数指定や「はじめの5字」のような条件を見落として不正解になっているケースが目立ちます。この場合は読解力よりも確認作業の不足が原因であることが多く、根拠探しより先に条件チェックの手順を直すほうが効果が出やすくなります。

記述問題は、根拠となる語句は拾えているのに、それを設問が求める形(〜から、〜こと、など)に組み立てられずに減点される型がよく見られます。ゴール設定から要素分解までの手順は記述問題の書き方5ステップで扱っているので、根拠は合っているのに得点が伸びない場合はこの手順のどこで止まっているかを確認してください。

実演 模試の誤答を分類する

架空の模試を例に、実際の分類の流れを見てみます。物語文の大問で、設問が三つとも不正解だったとします。

一問目は選択肢問題で「主人公の気持ちとして最も適切なものを選びなさい」という設問です。子どもに根拠を聞くと、選んだ選択肢について「なんとなくこっちかなと思った」としか答えられません。これは根拠を再現できていない典型で、選択肢の型に分類します。

二問目は抜き出し問題で「本文中から15字で抜き出しなさい」という設問です。子どもは本文の該当箇所を正しく指させますが、抜き出した文字数は17字になっていました。根拠自体は再現できているので、これは抜き出しの型というより条件確認のミスに近く、優先度はそれほど高くありません。

三問目は記述問題で「なぜ主人公は謝ったのか」という設問です。子どもは本文から「約束を破ったから」という一文を指させますが、答案には「友達とケンカしたから」とだけ書いていました。根拠は見つけられているのに、答案には別の内容が書かれている。これは記述の型で、根拠探しから組み立てまでのどこかで手順が崩れています。

この三問を並べると、いちばん優先すべきは一問目の選択肢問題です。根拠そのものが再現できていないからです。二問目は根拠が再現できているので後回しにしてよく、三問目は根拠と答案がずれているという別の課題として扱います。こうした場面全体の位置づけを見誤らないためには、本文全体の流れを先に掴んでから細部に降りる読み方が土台になります。この順序については偏差値を上げる読解の型 マクロ→ミクロで読むで詳しく扱っています。

次回の一手はひとつだけ決める

分類が終わったら、次の模試までに練習する項目をひとつだけ選びます。全部を同時に直そうとすると、どれも中途半端になり、次の模試のどこが直ったのかも分からなくなります。

先の例なら、優先度がいちばん高い選択肢問題の型を選び、「選ぶ前に、選んだ選択肢と残りの選択肢を本文と照合してから決める」のように、次回の模試中に実際にできる具体的な行動をひとつ決めます。記述の型を選ぶなら、「指させた根拠の語句を、そのまま答案の中に入れる」のように、動作として書き出しておくと本人も意識しやすくなります。

一手を絞ったら、そのメモを次の模試の直前にもう一度見返すところまでがセットです。「もっと注意する」だけでなく、「設問の数の指定を囲む」のように、試験中にする動作を書いておきます。

家庭での運用手順

模試が返ってきたら、次の手順で直す問題を決めます。

  • 大問ごとに、正解・不正解にかかわらず根拠を本文で指させてみる
  • 指せなかった問題を選択肢・抜き出し・記述の三つに分ける
  • そのうち、根拠そのものが再現できていない問題を最優先にする
  • 次回の模試までの一手を、具体的な行動としてひとつだけ決める

点数の低い大問から手当たり次第に直すより、根拠を再現できているかで絞り込むほうが、直しにかけられる時間が限られている家庭ほど効果が見えやすくなります。毎回すべての誤答を直せなくても、一手ずつ積み重ねていけば、次の模試で同じ型の誤答は少しずつ減っていきます。

個別指導のご相談

模試の誤答をタイプ別に分ける作業は、最初のうちは大人が一緒に見てあげたほうが分類の精度が上がります。模試復習の進め方について相談したい方は、国語先生.COM をご覧いただくか、公式LINE からお気軽にお問い合わせください。