国語の復習で何をすればいいかわからない家庭へ 直しノートの作り方
算数や理科なら、間違えた問題をもう一度解き直せば復習になります。ところが国語は、同じやり方が通用しません。正解を写して終わりにしても、次の文章では同じ種類のミスを繰り返す。そういう相談を、保護者の方からよく受けます。
原因ははっきりしています。国語の復習で本当に見直すべきは「答えそのもの」ではなく「答えに至る根拠の見つけ方」だからです。答えを写すだけの直しは、根拠を飛ばして結果だけをなぞっているので、次に活きません。
答えを写すだけの直しがなぜ効かないのか
模試や問題集を解き終えたあと、多くの家庭がやっているのは「間違えた問題の正解を赤で書き写す」という作業です。これ自体は悪いことではありませんが、これだけで終わると復習の効果はほとんど残りません。
理由は単純で、正解を写す作業には「なぜその答えになるのか」という根拠探しの過程が含まれていないからです。子どもは正解の文字列だけを覚え、次に似た設問が出たときにまた同じ場所でつまずきます。しかも国語の場合、同じ設問は二度と出ません。だから「この問題の正解」を覚えても意味が薄く、覚えるべきは「この種類の設問で、どこを見て、どう考えるか」という手順の方です。
直しノートを作る目的は、正解を記録することではなく、失敗の型と次に取るべき手順を記録することにあります。
直しノートの3列 根拠・ミス類型・次の一手
家庭で運用するなら、ノートやルーズリーフを3列に分けるだけで十分です。
- 根拠 正解の根拠が本文のどこにあったか、該当箇所を書き写す
- ミス類型 なぜ間違えたのかを、あとで説明する型のどれかに当てはめる
- 次の一手 同じ型のミスを減らすために、次に何を練習するかを一言で書く
この3列がそろってはじめて、直しが「振り返り」から「次の練習の設計」に変わります。答えだけを書く1列のノートと、この3列のノートでは、同じ時間をかけても得られるものがまったく違います。
ミス類型は設問の種類ごとに整理する
ミス類型は、設問の種類によっておおよそ決まったパターンに分かれます。全部を暗記する必要はなく、間違えるたびに「これはどの型か」と当てはめていけば、自然と手元に一覧ができあがります。
選択肢問題でよくあるのは、消去法の途中で根拠を確認せずに「なんとなく合っていそう」で選んでしまう型です。例えば「主人公の気持ちとして最も適切なものを選びなさい」という設問で、4つの選択肢のうち2つまでは正しく消去できても、残り2つを本文に戻らず語感だけで選んでしまう。この型は、選択肢を1つずつ本文と照合する解法フレームに戻すのが直しになります。選択肢問題の解法フレームは記述の解法とあわせて選択肢の消去法をまとめた記事で整理しています。
物語文の心情読み取りでは、傍線部の前後だけを見て場面全体の流れを見落とす型が目立ちます。場面がどう変化したかを掴まないまま、直前の一文だけで気持ちを判断してしまうケースです。
記述問題は減点の型がさらに細かく分かれます。要素が足りない、設問の聞かれ方とずれている、本文にない解釈まで書いてしまう、自分の経験で埋めてしまう、という4つの型があり、これは記述で減点される答案の共通点と直し方で詳しく扱っているので、記述の直しノートを作るときはあわせて参照してください。
直しノートの実演 選択肢問題を例に
具体的な流れを、架空の選択肢問題で見てみます。「主人公が黙ってうなずいた理由として最も適切なものを選びなさい」という設問で、子どもが誤答を選んだとします。
まず根拠の列には、傍線部の直前にある「これ以上言い返しても仕方ないと分かっていたから」という一文を書き写します。次にミス類型の列で、選んだ誤答がどこで本文とずれていたかを確認します。この場合、誤答は「納得して受け入れた」という内容でしたが、本文の根拠は「言い返しても仕方ない」というあきらめに近い心情で、納得とは方向が違います。感情の向き(納得か、あきらめか)を混同した型と分類できます。
最後に次の一手の列には、「選択肢を選ぶ前に、感情が上向きか下向きかを本文の言葉で確認する」と書きます。この一言があるだけで、次に似た設問を解くときに意識するポイントが具体的になります。
こうした整理の土台になっているのが、本文全体の流れを先に掴んでから細部を確認するという読み方の順序です。この順序については偏差値を上げる読解の型 マクロ→ミクロで読むで詳しく解説しているので、直しノートをつける前提としてあわせて読んでおくと、ミス類型の分類がしやすくなります。
家庭での運用手順
直しノートは、量よりも続けやすさを優先して設計します。
- 週に1回、その週に解いた問題の中から間違えた設問を3〜5問だけ選ぶ(全部をノートにしようとすると続かない)
- 根拠の列は、子ども自身に本文へ戻らせて書き写させる(親が代わりに書くと根拠探しの練習にならない)
- ミス類型の列は、最初は親が一緒に「これはどの型かな」と声をかけながら分類する
- 次の一手の列は、抽象的な言葉(「もっと注意する」など)ではなく、具体的な行動(「選ぶ前に本文に戻る」など)で書く
同じミス類型が2週続けて出てきたら、そこが今のいちばんの弱点です。次の一手を1つに絞り、その週はその1点だけを意識して問題を解かせると、直しノートが単なる記録で終わらず、実際の得点に結びつきやすくなります。
個別指導のご相談
直しノートの型は作れても、子ども一人でミス類型を正しく分類するのは難しく、最初のうちは大人の伴走が効果を左右します。国語の復習の進め方や直しノートの運用について相談したい方は、国語先生.COM をご覧いただくか、公式LINE からお気軽にお問い合わせください。