中学受験国語の記述で要素が足りない子へ 本文から材料を集める手順
記述で内容が足りないと感じるときは、書く前に材料を集め切れているかを確かめます。答案の書き方だけでなく、根拠を探す段階で止まっている場合があります。
記述では、設問が求める内容を本文から集め、答案へ入れます。必要な要素が足りなければ、採点基準によっては評価に影響します。家庭で記述を採点せずに見直す手順は、こちらで扱っています。
記述の基本手順は「ゴール設定→根拠集め→肉付け→字数調整→見直し」の5ステップで、この全体像はこちらの記事にまとめています。
要素が足りない子がやっていること
要素が不足するときは、設問を読んですぐ傍線部の一文だけを見て、思いついた内容を書き始めている場合があります。
最初に見つけた根拠だけで書くと、設問に必要な内容を落とすことがあります。一つで足りる設問も複数を求める設問もあるため、見つけた数だけで十分かどうかを判断しません。
さらに厄介なのは、要素が1つしかない状態で書き始めても、文章としては最後まで書き切れてしまうことです。文がきちんと完結していると、本人は「書けた」という達成感を持ってしまい、要素が足りていないことに自分では気づけません。だからこそ、書き終わったあとに直すのではなく、書く前の材料集めの段階で要素の数を確認する仕組みが必要になります。
設問を確かめてから本文の根拠を集める
まず設問で答える内容と条件を確認し、本文全体の流れから関係する箇所を探します。傍線部の中や前後に限らず、離れた段落や場面が根拠になることもあります。
- 傍線部そのもの:傍線部の中に、換言(言いかえ)が必要な語や比喩表現がないかを確認する。そこがそのまま要素の1つになることが多い
- 設問条件:「本文中の言葉を使って」「30字以内で」「きっかけとなった出来事にふれて」などの条件文を読み、条件が要求している要素の数を数える
- 本文全体:設問に関係する話題や場面を絞り、理由や心情の変化を示す表現を探す。マクロ(本文全体の流れ)を掴んだ上でミクロに降りると見つけやすくなります(読解の型についてはこちら)
設問の条件は探す内容を決めるためのものです。答案の根拠そのものは本文に求めます。
設問で流れを確認する
架空の設問で流れを確認します。「主人公が『もう歩けない』とつぶやきながらも、再び足を踏み出したのはなぜか。本文中の言葉を使って説明しなさい」という設問だとします。
まず傍線部そのものを見ます。「もう歩けない」という発言と「再び足を踏み出した」という行動が矛盾しているので、この矛盾を埋める要素が答えの核になりそうだと見当をつけます。
次に設問条件を確認します。「本文中の言葉を使って」とあるので、自分の言葉で創作するのではなく、本文の該当箇所を探して引用に近い形で使う必要があると分かります。
最後に前後の文脈を探します。傍線部の直前に「振り返ると、仲間たちがまだこちらを見ていた」、直後に「その視線に、弱音を見せるわけにはいかないと思い直した」とあったとします。ここから「仲間が見ていることに気づいた」「弱音を見せられないと思い直した」という2つの要素が拾えます。
この段階で初めて、傍線部の矛盾(材料1の手がかり)、設問条件(書き方の制約)、前後の文脈(要素2つ)がそろいます。書き始めるのはこのあとです。ゴールを「〜と思い直したから。」に設定し、拾った2つの要素を根拠として並べれば、記述5ステップのステップ3(肉付け)にそのまま進めます。
要素はいくつ集めればよいか
必要な要素の数は、字数だけでは決められません。まず設問で何を答えるかを確かめ、本文の根拠を集めます。指定字数は、その要素をどこまで詳しく書くか、どうまとめるかを考える際の制約として扱います。
集めた要素で設問に答えられるかを確認します。足りなければ、本文のつながりを手がかりに探し直します。答えが成立しているのに、数を増やすためだけに二つ目の要素を足す必要はありません。
家庭でできる練習
- 記述問題を解く前に、何を答える必要があるかを口に出す。本文で必要な材料を確かめてから、答案の要素を決める
- 採点とは別の復習時間に、答案で使った根拠を本文で指し、どこを見落としていたかを確認する
- 答案の各要素と本文を照合し、設問に必要な内容が抜けていないか、余計な内容を足していないかを確認する
個別指導のご相談
材料集めの手順はひとりで練習しづらい部分でもあるので、うまくいかない場合は国語先生.COMの個別指導で一緒に確認することもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。