LINEで相談

← ブログ一覧

中学受験国語の記述で本文の言葉を使えない子へ 根拠語句の残し方

「自分の言葉で説明しなさい」とあっても、本文の言葉をすべて言い換える必要はありません。逆に、本文の文をそのまま並べればよいわけでもありません。設問が何を求めているかを確認し、本文の根拠を使って意味の通る文にします。

本文の言葉と答案の言葉が完全に同じかどうかだけでは、正誤を決められません。本文を言い換えていても、根拠と設問の条件に合っていれば答えになることがあります。一方で、本文にない事情や心情を加えれば、同じ語句が入っていても答えとしては不十分です。

残すか言い換えるかは、設問と役割で決める

次の順で考えると、本文の言葉を使いやすくなります。

  1. 設問が指定している言葉や、答える内容を確認する
  2. その答えを支える本文の出来事・心情・関係に印を付ける
  3. その語句が結論に必要なら残し、指示語・比喩・抽象語なら具体的な内容を説明する
  4. 本文にないことを加えていないかを確かめる

設問で「本文中の言葉を用いて」と指定された場合は、その条件に合う語句を使います。ただし、指示語や比喩を写すだけでは説明になりません。「それ」が何を指すか、「胸が温かくなる」が本文のどんな出来事を受けた表現かまで、本文に即して書きます。

繰り返し出る言葉や具体的な名詞は、本文の中心をつかむ手がかりになります。しかし、すべてを残すべき語と決めることはできません。答案でその言葉がどの内容を支えるのかを確かめます。

比喩を含む例題で考える

架空の本文です。

花子は、転校初日、誰にも話しかけられずに一日が終わったことに落ち込んでいた。翌朝、隣の席の子が「昨日、絵を描いていたよね。上手だね」と声をかけてくれた。花子は、自分のことを見てくれている人がいたと知り、胸の奥がじんわり温かくなるのを感じた。

設問を「隣の席の子に声をかけられたとき、花子はどのような気持ちになったか。本文中の言葉を用いて説明しなさい」とします。

まず、花子が「自分のことを見てくれている人がいた」と知った出来事と、「胸の奥がじんわり温かくなる」という心情表現を根拠にします。本文中の言葉を使う条件に合わせるなら、次の答案が考えられます。

自分のことを見てくれている人がいたと知り、うれしくなった気持ち。

「自分のことを見てくれている人がいた」は本文の言葉を残しました。「胸の奥がじんわり温かくなる」は、声をかけてもらった出来事と結びつけて「うれしい」と説明しています。比喩を写すだけでなく、何を喜んでいるかまで示す答案です。

「安心した」と読む場合も、語が本文にないことだけで否定せず、前日の落ち込みと翌朝の声かけがどのようにつながるかを説明できるか確かめます。一方、「親友になった」のように、本文に描かれていないその後の関係を付け加えることはできません。

見直しでは、語句ではなく対応を確かめる

答案を書いたら、次の順で見直します。

  1. 設問が求めるものに答えているかを読む
  2. 答案の各部分に対応する本文の箇所を指せるかを確認する
  3. 指示語・比喩・抽象語を使った場合は、その中身を本文の具体的な内容で説明できるかを見る
  4. 設問で指定された本文語を使っているか、本文にない内容を足していないかを確かめる
  5. 文末が「理由」「気持ち」「内容」など、設問の聞き方に合っているかを確認する

本文にない言葉を使った答案でも、それが本文内容を言い換えたものなら、語句の一致だけでは判断できません。反対に、本文の語句を残していても、設問と関係のない箇所を選んでいれば根拠にはなりません。

本文全体を読んで根拠の役割を見る

傍線部の近くにある言葉だけでなく、本文全体でその出来事や心情がどう変わったかを読みます。繰り返し出る言葉、対比されている言葉、場面が変わる前後の言葉は、設問への答えを支える場合があります。

本文全体の流れから根拠を探す読み方は、読解の型 マクロ→ミクロ〈軸〉で確認できます。傍線部の周りだけを写すのではなく、設問に答えるための役割を考えます。

家庭でできる練習

短い記述答案を一つ選び、次のように見直します。

  • 設問が求める内容を一言で言う
  • 答案の各部分に対応する本文の箇所に線を引く
  • 本文の言葉を残した部分と、意味を言い換えた部分を分けて説明する
  • 本文にない出来事や心情を足していないか確認する

家庭では、本文に同じ語があるかだけで丸やバツを決めず、どの本文箇所を根拠にしたかを子どもに説明してもらいます。設問の採点基準が分からない答案は、模範解答や担当の先生の説明も確認します。

個別指導のご相談

本文の根拠を選べても、一文にすると意味がずれる場合は、国語先生.COMの個別指導で本文と答案を照らし合わせながら練習できます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからどうぞ。