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中学受験国語の空欄に一文を戻す問題、前後のつながりを確かめる

抜けている一文を本文のどこかに戻す問題では、前の文とつながっていても、そこが正解とは限りません。戻した一文の後ろまで続けて読むと、指示語の指す内容が変わったり、説明の順番が合わなくなったりすることがあります。候補を選んだら、前の文・戻す文・後ろの文をひと続きで確かめましょう。

接続語の空欄補充でも文挿入でも、前後の関係を読む点は共通しています。文挿入では、一文全体がどこに入るかを比べるため、その文に含まれる指示語や接続語に加え、後ろの文が何を受けているかも調べます。接続語の種類と働きは接続語の空欄補充も参考にしてください。

前だけ見て決めると落ちる理由

抜けている一文に指示語や接続語があれば、前後をつなぐ手掛かりになります。「このように」「それに対して」「また」といった言葉です。子どもはこの言葉を見て、直前の内容と合うかどうかだけを確認し、合っていればそこで手を止めてしまいます。

ところが文挿入で問われているのは、その一文を戻した結果、前後の文章が自然な一つの流れになるかどうかです。前とはつながるのに、戻した後に続く文とは話題が飛んでしまう、という候補がよく紛れ込んでいます。この後ろ側の確認を省略すると、似たような候補が2つ3つ並んだときに判定を誤ります。

マクロ→ミクロの読み方でいえば、まず文章全体の話題の流れ(マクロ)を掴み、そのうえで候補の一文がどの段落のどの位置で話題をつなぐ役割を持つか(ミクロ)を見る、という順番が必要です。候補の前だけを見るのはミクロからいきなり入ってしまう読み方で、段落全体の流れを見落とすことがあります。

確かめる手順

次の架空の例で確かめます。ア〜エのどこに一文を入れると、話がつながるでしょうか。

戻す文:「しかし、その返事をする子どもの声は、かすかに震えていた。」

本文:「(ア)遠足の前日、子どもは持ち物を机に並べていた。(イ)母親が『忘れ物はない?』と尋ねると、子どもは『大丈夫』と答えた。(ウ)母親はその声の震えに気づき、『一緒に確かめようか』と声をかけた。(エ)二人は持ち物の一覧を見ながら、一つずつ確認した。」

  • 戻す文の「その返事」が何を指すかを探します。本文にある返事は「大丈夫」なので、この発言より後ろに戻すと考えられます。アとイでは、まだ返事が示されていません。
  • 「しかし」は、返事の内容と声の様子の食い違いを表しています。「大丈夫」という言葉に続けて戻すと、その違いを読めます。
  • ウの直後には「その声の震え」があります。戻す文をウに置くと、声が震えていたという描写を母親が受け取る流れになります。
  • エに置くと、戻す前から母親が「その声の震え」に気づくことになり、それまでに示されていない描写を受ける形になります。ウに置けば、返事・声の描写・母親の反応という順番でつながります。

答えはウです。「その返事」が前の発言を受け、「その声の震え」が戻す文を受けています。指示語が前後のどの言葉と結び付くかを示せるので、「何となく自然」という感覚だけに頼らず位置を説明できます。

指示語を含む文なら、その語が何を受けるかも調べます。戻す文だけでは指す内容を確定できない場合があるので、先に答えを決めつけず、候補の前後を読んで探します。指示語の4ステップ検証も、前後の内容を照合するときに使えます。

後ろとのつながりを見る具体的なチェック項目

前後両方を見ると言っても、何を比べればいいか分からないという子には、次の3点を順に確認させます。

  • 話題がどう続くか。主語が変わる場合も含め、誰の何について話が続いているか
  • 具体例とまとめの関係はどうなっているか。「例えば」の後ろに具体例が続く、「このように」の後ろにまとめが来るなど、説明の順番が合うか
  • 逆接・換言・具体例など、候補の一文が持つ接続のはたらきと、直後の文の内容が矛盾していないか

指示語や接続語から候補が絞れれば、そこを先に確かめます。迷う候補が残ったら、それぞれに文を戻して読み、つながらない箇所を根拠に消去法で比べます。主語や抽象度が変わることだけを理由に候補を消さないようにしましょう。

手掛かりになる語がない場合

戻す文に指示語も接続語もない場合は、その文の役割を考えます。新しい話題を出す文なのか、具体例を示す文なのか、前の説明をまとめる文なのかを、本文と照らして見ます。

例えば、ある道具の使い方を説明する文なら、その道具を初めて紹介する文より前に置くと、何の話か分かりにくくなることがあります。ただし、先に具体的な場面を描いてから道具を紹介する文章もあるため、紹介が必ず先という決まりにはできません。文章全体の展開と、候補の前後の両方を確かめます。

語句の一致は手掛かりになりますが、同じ言葉が近くにあるだけでは正解と決まりません。その一文を戻すことで、説明の欠けていた箇所が埋まるかまで読んで判断します。

家庭でできる練習法

家庭では、短い文章から一文を抜き、戻す場所を説明する練習ができます。

  • 教科書や問題集の説明的文章から、逆接や換言のはたらきを持つ一文を1つ選んで抜き出す
  • 抜き出した一文を隠した状態で、保護者が「この一文はどこに戻る?」と聞く
  • 子どもに候補となる場所を2つ挙げさせ、それぞれ前と後ろの両方を声に出して説明させる

候補の前だけを説明していたら、「後ろの文は何を受けている?」と尋ねます。自作の問題では複数の位置に入ることもあるので、元の位置と違うという理由だけで不正解にしないでください。説明を聞いても位置が一つに決まらない場合は、別の一文で試します。

もう1つの練習は、模試や過去問の文挿入問題を解いた直後に、正解以外の候補がなぜ消えるのかを1つずつ言葉にする作業です。根拠探しを「正解を当てる」ことだけで終わらせず、「なぜ他が消えるか」まで言葉で説明すると、次の問題で同じ失点パターンを繰り返しにくくなります。文挿入を含む設問全体の読み方の土台については、読解の型 マクロ→ミクロも参考にしてください。

個別指導のご相談

文挿入の判定で前後どちらかを見落とす癖が続く場合、どの候補を、何を根拠に選んだのかを個別に確認します。国語の読解でお悩みがあれば、国語先生.COMのサイトをご覧いただくか、公式LINEからお気軽にご相談ください。