中学受験国語 接続語の空欄補充が合否を分ける理由と解き方
接続語の空欄補充は、多くの子が「なんとなく」で解いている問題です。選択肢を全部当てはめてみて、いちばん自然に読める言葉を選ぶ。この解き方でも簡単な問題は正解できてしまうため、自分の弱点に気づかないまま学年を重ねていく子が少なくありません。
ですが、接続語の空欄補充は単なる知識問題ではありません。空欄の前後の関係を論理的に判定できているかを直接測る問題であり、ここでつまずく子は説明的文章の傍線部設問や要約問題でも同じ弱点を抱えています。逆に言えば、接続語の判定を型として身につければ、説明的文章全体の得点が底上げされます。本記事では接続語を5つに分類し、空欄の前後を見て機械的に判定する手順を解説します。
なぜ接続語の空欄補充が軽視されがちなのか
接続語の問題は配点が1問2〜3点程度と小さく、記述問題ほど重視されない傾向があります。しかし、この問題が測っているのは接続語そのものの知識ではなく、「前の文と後ろの文がどういう関係にあるかを読み取る力」です。
説明的文章の設問の多くは、対比構造や理由づけ、具体例と抽象論の関係を正しく掴めているかを問うています。接続語の空欄補充で前後関係を誤る子は、内容合致問題でも前後の論理関係を取り違え、要約問題でも文章全体の構造を掴み損ねます。つまり接続語の問題は説明的文章の読解力を測る小さな鏡のような存在です。ここを「なんとなく」で通過させず、判定の型を持たせる価値は十分にあります。
接続語の5分類
判定を機械的に行うために、接続語を次の5つに分類して覚えます。
- 順接:前の内容が原因・理由となり、後ろに自然な結果が続く(だから・そのため・すると)
- 逆接:前の内容と後ろの内容が対立・矛盾する(しかし・ところが・けれども)
- 換言(言い換え):前の内容を別の言葉で言い直す(つまり・すなわち・いわば)
- 具体例:前の抽象的な内容を、後ろで具体的に示す(例えば・たとえば)
- 並列:前後の内容を同列に並べる、あるいは付け加える(また・そして・さらに)
この5分類さえ頭に入っていれば、選択肢に並ぶ接続語がどのグループに属するかをまず仕分けられます。仕分けたうえで、空欄の前後がどの関係にあるかを本文から判定するという2段階の作業に分解できます。
判定の手順:前後関係を先に決めてから接続語を選ぶ
多くの子が失敗するのは、選択肢の接続語を先に空欄に当てはめて「読みやすいかどうか」で選ぶやり方です。この順番だと複数の選択肢がどれも「読めなくはない」ように感じられ、最後は勘に頼ることになります。
正しい手順は逆です。まず空欄を無視して、前の文と後ろの文がそれぞれ何を言っているかを自分の言葉で確認します。そのうえで2つの文の関係が5分類のどれに当たるかを判定してから、初めて選択肢を見ます。この順序を守れば、選択肢問題における即答法と同じ考え方で処理できます。
具体的な文章で見てみます。
前の文:「昔ながらの商店街には、店主と客が顔なじみになり、世間話をしながら買い物をするような関係があった。」 後ろの文:「__、効率を優先したショッピングモールでは、店員と客の関係は一回限りの取引に近い。」
ここで空欄の前後を確認すると、前の文は「顔なじみの関係がある商店街」、後ろの文は「一回限りの取引に近いショッピングモール」について述べています。2つは対立する内容なので、これは逆接の関係です。選択肢に「しかし」「そのため」「例えば」が並んでいたとしても、対立関係を示せるのは「しかし」だけなので、前後関係を先に確定していれば迷わず選べます。
もうひとつ例を見ます。
前の文:「筆者は、便利さを追い求めることが必ずしも豊かさにつながらないと述べている。」 後ろの文:「__、便利な家電に囲まれていても孤独を感じる人が増えているという調査結果がある。」
前の文は筆者の主張(抽象的な結論)、後ろの文はそれを裏づける具体的なデータです。これは抽象→具体の関係なので、具体例の接続語である「例えば」が入ります。「そのため」を選んでしまう子がよくいますが、「そのため」は原因→結果の順接関係を示す言葉であり、前の文が後ろの文の原因になっているわけではないので誤りです。この混同こそ、なんとなく解いている子が最も陥りやすいワナです。
よくある誤答パターン
- 逆接と換言の混同:「つまり」と「しかし」を、なんとなく話が変わる場面で両方使ってしまう
- 順接と具体例の混同:「そのため」と「例えば」を、後ろの文が前の文を補足していれば同じだと捉えてしまう
- 並列の軽視:「また」「さらに」を弱い接続語だと考え、対立や因果があるはずだと深読みしすぎる
これらの誤答は、いずれも前後の文の関係を自分の言葉で確認せずに選択肢の語感だけで判定していることが原因です。特に逆接と換言の混同は頻度が高く、「筆者の言いたいことが変わるように感じる」という印象だけで「しかし」を選び、実際には同じ内容を言い直しているだけの換言関係を見逃すケースが目立ちます。
空欄補充から要約力へつなげる
接続語の判定は、単発の問題としてだけでなく、文章全体の骨格を読み取る土台としても機能します。逆接の接続語が出てきた箇所は、筆者が最も強調したい主張の手前であることが多く、換言の接続語が出てきた箇所は、その段落の要点が凝縮されている場所です。
つまり接続語に注目しながら本文を読むことは、そのまま文章の論理構造をマクロで掴む作業につながります。どこが対比され、どこが言い換えられ、どこが具体例なのかを接続語を手がかりに整理できれば、要約問題や内容一致問題での失点も減っていきます。説明的文章をジャンルとしてどう読み分けるかは説明的文章の読み方で詳しく扱っています。
家庭でできる練習:接続語だけを隠して先に関係を言わせる
家庭学習でできる練習として効果的なのが、本文中の接続語をすべて隠した状態で、前後の文の関係を子ども自身に言わせることです。「ここは対立している」「ここは言い換えている」と自分の言葉で説明できるかを確認してから、隠していた接続語を見せて答え合わせをします。
この練習を繰り返すと、選択肢に頼らずに前後関係を判定する感覚が育ちます。逆に接続語を先に見てから内容を後付けで理解する癖がついていると、いつまでも「なんとなく」の解き方から抜け出せません。文章全体の流れをまず掴んでから細部を確認する順序は、偏差値を上げる読解の型で扱うマクロ→ミクロの考え方そのものです。
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接続語の判定は、型さえ身につければ短期間で安定して得点できるようになる分野です。ひとりで前後関係の判定に自信が持てない場合は、国語先生.COM の個別指導で実際の文章を使いながら一緒に練習することもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。