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文学的文章と説明的文章の読み方の違い|中学受験国語

「物語文は得意だけど説明文が苦手」「説明文は読めるけど物語の心情が読めない」――この点数のムラは、読解力の差ではなく、ジャンルごとの読み方の観点が違うことを知らないだけです。

文学的文章と説明的文章は、読むときに見るべき場所が根本的に違います。同じ「本文をよく読みなさい」という指導でも、何を見るかが違えば結果はまったく変わってきます。本記事では、両ジャンルの観点を分けて整理し、それぞれで使うべき解法まで具体的に解説します。

なぜ「同じ読み方」では両方は伸びないのか

文学的文章で見るべきは「人の気持ちの動き」、説明的文章で見るべきは「論理の構造」です。これを同じ読み方で処理すると、必ずどちらかが落ちます。

たとえば、物語文を読むときに接続詞ばかり丸で囲む子がいます。「しかし」「だから」に印をつけること自体は説明文では有効ですが、物語文で本当に見るべきは接続詞ではなく、登場人物の表情・動作・セリフに滲む心情の変化です。逆に、説明文を心情読みの感覚で読んでしまう子もいます。「筆者は悲しかったのだろうか」というような主観的な読みに引っ張られ、対比構造や論理展開を見落としてしまう。これが「文学は得意なのに説明文だけ崩れる」「説明文は解けるのに物語文の記述だけ書けない」というムラの正体です。

観点を分けて、ジャンルごとに「何を見るか」を固定してしまえば、このムラは大きく減らせます。

文学的文章の3つの観点

  • 心情:誰の・どんな気持ちが・なぜ動いたか
  • 場面:いつ・どこで・誰がいるか(場面転換に印をつける)
  • 関係:登場人物どうしの距離・上下・親しさ

このうち、最重要は心情です。文学的文章の設問の多くは心情に絡みます。

たとえば「主人公は、なぜ手紙を読んだあと窓の外を見たのか」という傍線部設問があったとします。ここで本文をただ漠然と読み返しても答えは出てきません。見るべきは、手紙を読む直前の主人公の状況(場面)、手紙の内容によって何が変わったのか(心情の変化)、そして相手との関係性です。窓の外を見るという行動は、多くの場合「気持ちの整理」や「現実からの一時的な距離」を表す描写として使われます。こうした行動描写を心情に変換する作業が、文学的文章の読解の中心になります。

選択肢問題では、まず自分の頭の中で心情を一度言葉にしてから選択肢を見る「即答法」が効きます。先に本文だけで答えの方向性を決めておき、選択肢はその方向性との一致・不一致で選ぶ。これができないと、どの選択肢もそれっぽく見えてしまい、消去法だけに頼って時間を失うことになります。もちろん、心情の方向がどうしても定まらない難問では消去法に切り替えるのが正解ですが、基本の型は「先に自分の答えを決める」ことです。

説明的文章の3つの観点

  • 対比:AとBが対比されている構造(接続詞「しかし」「一方」に注目)
  • 換言(言い換え):同じことを別の言葉で言い直している箇所(要約のヒント)
  • 主張:筆者が「結局何を言いたいのか」(最終段落 or 結論部)

説明的文章で最初に崩れやすいのが、対比構造の見落としです。「昔のやり方」と「今のやり方」、「日本の考え方」と「海外の考え方」のように、筆者は多くの場合、何かと何かを比べることで自分の主張を際立たせています。この対比の軸を見失うと、傍線部だけを局所的に読んで的外れな答えを書いてしまいます。

もうひとつ重要なのが換言、つまり言い換えです。説明的文章では、筆者は同じ主張を表現を変えながら何度も繰り返す傾向があります。難しい言葉で書かれた一文があっても、その少し後や前に、同じ内容をやさしい言葉で言い直している箇所が必ずと言っていいほどあります。傍線部の意味が分からないときは、まず本文の中に換言箇所を探す。これだけで「言葉の意味が分からないから解けない」という状態から抜け出せます。

選択肢問題では、説明的文章のほうが消去法が機能しやすいという特徴があります。本文の主張と矛盾する選択肢、対比構造を取り違えている選択肢を機械的に消していけば、正解にたどり着きやすいからです。文学的文章の心情読みが「先に決めてから選ぶ」のに対し、説明的文章は「本文の論理と照らして消していく」。この使い分けの意識だけで、選択肢問題の正答率は変わってきます。

共通する技術:マクロ→ミクロ

ジャンルが違っても、先に全体(マクロ)を掴んでから細部(ミクロ)に降りる順序は共通です。

文学的文章なら「心情の方向(上向き・下向き)」、説明的文章なら「主張は何か」を、本文を読み終わった瞬間にひとことで言えるようにする。これだけで設問の見え方が変わります。マクロが掴めていない状態でミクロ(傍線部の前後)だけを読んでも、木を見て森を見ずの状態になり、選択肢の消去も記述の方向づけもぶれてしまいます。マクロ→ミクロの具体的な練習方法や、ジャンル別のマクロの掴み方をさらに詳しく知りたい方は、マクロ→ミクロで読む型の記事もあわせて参考にしてください。

家庭でできる練習:ジャンルを言い当てさせる

家庭学習で手軽にできる練習が、問題を解く前に「この文章は文学的文章か、説明的文章か」を子ども自身に言わせることです。当たり前に思えるかもしれませんが、これを意識するだけで「今どちらの観点で読むべきか」が頭の中で切り替わります。

さらに一歩進めるなら、間違えた問題を振り返るときに「観点を取り違えていなかったか」を確認するのがおすすめです。文学的文章の設問を説明文的な論理読みで解こうとしていなかったか、逆に説明的文章の設問を心情読みで解こうとしていなかったか。この振り返りを続けると、ジャンルによる点数のムラは着実に減っていきます。


個別指導のご相談

ジャンルごとの観点の切り替えは、実際の問題演習で「これは文学?説明文?」と意識させながら繰り返すことで身につきます。国語先生.COM の個別指導では、ジャンル別の弱点を診断したうえで指導しています。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからどうぞ。