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中学受験国語で正解なのに根拠を言えない子へ 当てずっぽうを減らす練習

丸がついている答案を見ながら「これ、なんで合ってるか分かる?」と聞くと、黙ってしまう子がいます。間違えた問題を直すのは当たり前にやっていても、正解した問題を振り返る家庭はほとんどありません。テストが返ってきたら合っている設問はそのまま流し、間違えた設問だけを直して終わり。これが習慣になっていると、正答率という数字の裏に、実は根拠のない正解が紛れ込んでいることに誰も気づけません。

正答率が高くても安心できない理由

正答率は「その回、その設問で丸がついたか」を示すだけの数字です。丸の中身が、傍線部前後を読んで根拠を持って選んだ答えなのか、二択まで絞って最後は勘で選んだ答えなのかは、正答率のグラフからは区別がつきません。

同じ8割の正答率でも、根拠を持って解いた8割と、当てずっぽうが混ざった8割では、次のテストでの再現性がまったく違います。前者は本文が変わっても同じ手順で同じくらいの割合で正解できますが、後者は本文の相性や選択肢の作り方が少し変わるだけで、正答率が大きく上下します。模試のたびに偏差値が乱高下する子の中には、この「根拠のない正解」を見逃されたまま放置されているケースが少なからずあります。

根拠を言えない正解にはいくつかの形がある

根拠を言えない正解と一口に言っても、中身は一様ではありません。よくあるのは次のような形です。

  • 選択肢を二つまで絞り、最後は文の長さや語感の印象だけで選んだ
  • 抜き出し問題で、答えの近くにあった別の一文と迷ったが、なんとなく短い方を選んだ
  • 記述問題で、模範解答に近い言葉をたまたま使えていたが、本人は本文のどこを根拠にしたか説明できない

いずれの場合も、答案上は満点に見えるため、直しの対象にすらなりません。この記事で扱いたいのは、まさにこの「直しの対象にならないまま埋もれていく正解」です。

正解した問題こそ一文に戻らせる

対策はシンプルで、正解した問題についても「本文のどの一文を根拠にしたか」を短く言わせることです。長い説明はいりません。「ここに書いてあったから」と、傍線部の前後にある一文を指させるだけで十分です。

選択肢問題では、選択肢を見る前に本文から答えを考え、その後に選択肢を本文と照らします。答えを選んだ理由を聞かれたときに、対応する本文を指せるかを確かめます。選択肢の解き方の順序については選択肢問題の解法フレームでも詳しく整理しています。

一方、一文を指せない、あるいは指した箇所が傍線部から離れすぎている場合は、その正解は再現性が低いと考えたほうが安全です。今回はたまたま選んだ選択肢が正しかっただけで、次に似た形式の問題が出たときに同じ手順を踏めるとは限りません。

具体例で見る「言えない正解」

物語文の設問で「傍線部で主人公が浮かべた表情の理由として最も適切なものを選びなさい」という問題があったとします。正解は「幼なじみの一言で、隠していた不安を見抜かれたと気づいたから」だったとします。

根拠を持って解いた子は、傍線部の直前にある幼なじみの発言と、その後の主人公の動作描写を指しながら「ここで気づいたって分かるから」と説明できます。一方、なんとなく選んだ子は「なんかこれが一番自然な感じがしたから」としか言えず、本文のどこにも戻れません。

同じ丸でも、この二人の間には大きな差があります。次に本文の登場人物や場面設定が変わったとき、前者は同じ手順で正解にたどり着ける可能性が高いのに対し、後者はまた勘に頼ることになります。

家庭でできる10分の振り返り

テストや問題集の丸つけが終わったら、正解した設問の中から2、3問を選び、次の手順で振り返ります。

  • 選んだ答えについて「本文のどこに書いてあったから選んだのか」を一文だけ指させる
  • 指せた場合は、その一文が傍線部からどれくらい離れているかを確認する
  • 指せなかった場合は、直しの対象として本文に戻り、根拠になる一文を一緒に探す
  • 選択肢問題であれば、選択肢を見る前に本文から何を答えと考えたか、どの本文根拠と照らしたかを本人に言わせる
  • 記述や抜き出しであれば、答えの言葉が本文のどの語の言いかえ(換言)になっているかを確認する

この振り返りは、正解した問題の数だけ丁寧にやる必要はありません。数分から十分程度、気になる設問だけで構いません。大切なのは、丸がついた設問を無条件に素通りしない習慣をつけることです。

根拠を言えない子に共通する読み方の癖

根拠を言えない正解が多い子は、たいてい傍線部の周辺だけをいきなり読み、本文全体の流れを掴まないまま設問に入っています。マクロ(本文全体で何が言いたいか)を掴んでからミクロ(傍線部の前後)に降りるという順序が抜けていると、選択肢を選ぶ根拠も曖昧になりやすく、たまたま雰囲気の合う選択肢を選んで正解してしまう場面が増えます。読み方の順序そのものについては偏差値を上げる読解の型で扱っていますので、根拠を言えない正解が続くようなら、まずこの読み方の型が身についているかを確認してみてください。

また、正答率だけを見て弱点を判断していると、こうした根拠のない正解は弱点として表に出てきません。答案の見方そのものを見直したい場合は国語の弱点の見つけ方もあわせて参考にしてください。

焦らず数回続けて見る

一度や二度、根拠を言えない正解があったからといって、すぐに読解力不足と決めつける必要はありません。緊張していた、たまたま似た表現に引っ張られた、というだけのこともあります。ただ、同じ設問タイプで根拠を言えない正解が何回も続くようであれば、それは実力よりも運に支えられた点数になっている可能性が高く、次のテストで同じようには出ない点数だと見ておいたほうが安全です。

正解した問題を振り返るのは、間違えた問題を直すより地味な作業です。しかし、この地味な確認を続けた子ほど、本番で初めて見る文章に対しても、同じ手順で根拠を探しに行けるようになっていきます。

個別指導のご相談

正解した設問の根拠を一緒に確認していくと、本人も気づいていなかった読み方の癖が見えてくることがあります。家庭での振り返りだけでは判断が難しいと感じたら、国語先生.COMの個別指導で答案を見ながら一緒に確認することもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。