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中学受験国語 記述の字数が合わない子の削り方・増やし方

「内容は合っているのに指定字数に収まらない」「逆に、書くことがなくて字数が余ってしまう」。記述問題の指導では、内容そのものより字数調整でつまずく子のほうが多いくらいです。

内容が合っているのに字数だけで減点されるのはもったいない話です。しかも字数調整には明確な優先順位があります。何を削っていいか、何を足せばいいかが分かれば、この悩みはほとんど解消します。本記事では記述を「核」「根拠」「肉付け」の3層に分け、字数クラス別の調整の型を具体例つきで解説します。

字数が合わない原因は内容ではなく順番

字数調整でつまずく子の答案には共通点があります。最初から指定字数ぴったりを狙って書こうとしていることです。

書きながら字数を数え、超えそうになったら焦って語尾を縮め、足りなければ思いついた言葉を差し込む。この場当たり的なやり方では、削るべきでない根拠を削ってしまったり、不要な言葉を足して意味がぼやけたりします。字数調整は書き終えたあとに行う独立した工程だと割り切るのが出発点です。まず正しい文を組み立て、そのあとで字数を合わせにいく。この順番を崩さないだけで調整の精度は変わります。

記述を3層に分けて考える

字数調整をするときは、記述を次の3層に分けて捉えます。

  • 核:設問のゴールに対する結論部分。「〜から。」「〜こと。」の最後の一文
  • 根拠:核を支える理由や事実。本文から取ってきた要素
  • 肉付け:根拠や核をつなぐ接続語、状況説明、修飾語

字数を削るときは肉付けから削り、根拠には手を出さない。増やすときも肉付けから足し、核をぶれさせない。核と根拠は採点者が部分点を振る対象なので、ここを削ると得点そのものが消えてしまいます。

字数クラス別の調整の型

40字クラス:核だけで勝負する

40字前後の記述は、核と根拠1つだけで埋まってしまう分量です。肉付けの余地がほとんどありません。

例えば「主人公が涙を流した理由を40字以内で説明しなさい」という設問に対して、「ずっと隠していた気持ちに気づき、それを初めて言葉にできたから。(30字)」という核+根拠の文ができたとします。これで30字なので、あと10字の余裕がありますが、ここで安易に「涙を流した」という結論部分を書き足すのは失敗です。設問がすでに理由を聞いているので、答えの文に同じ内容を繰り返すと冗長になります。

正しい増やし方は、根拠の状況をひとことだけ具体化することです。「ずっと兄に隠していた気持ちに気づき、それを初めて言葉にできたから。(33字)」のように誰に対して隠していたのかを補うだけで、意味を薄めずに字数を埋められます。40字クラスは足す場所がほぼ根拠の周辺の状況説明に限られると覚えておくと迷いません。

60字クラス:根拠2つ+軽い肉付け

60字クラスになると根拠を2つ入れる余地が生まれます。字数オーバーが起きやすいのは、根拠2つに加えて感想や評価のような余計な一文を足してしまうケースです。

例えば「ずっと隠していた本当の気持ちに気づき、それを兄に初めて言葉にできて、心が軽くなったから涙を流した。(48字)」という文があったとします。これが指定字数を10字超えているなら、削る候補は「心が軽くなったから」の部分です。根拠1・根拠2から自然に導かれる感想であり、削っても核の成立には影響しません。「ずっと隠していた本当の気持ちに気づき、それを兄に初めて言葉にできたから。(37字)」まで削れます。逆に字数不足が起きる場合は根拠が1つしか入っていないことが多く、まず根拠を2つに増やすのが先で、接続語での水増しは最後の手段です。

100字クラス:換言で圧縮してから増減する

100字クラスになると根拠2つに加え場面や関係性の説明が必要になり、字数オーバーの原因が変わります。多くの場合、本文の言葉をそのまま抜き出してつなげているため長くなっています。

例えば「ずっと自分の中だけにとどめて誰にも打ち明けることができずにいた、本当は寂しいという気持ちに、ようやく気づくことができ、それを長年疎遠だった兄に対して初めて言葉として伝えることができたから。(96字)」という文があったとします。内容は正しいのですが、本文の表現を律儀に写しているため冗長です。ここで使うのが換言、同じ内容を自分の言葉で言い直す技術です。「長年隠していた寂しさに気づき、疎遠だった兄に初めて打ち明けられたから。(35字)」まで圧縮できます。

100字クラスでは、圧縮してから残り字数を確認し、状況説明(場面・関係性)を足して指定字数に近づける順番が安定します。最初から100字ぴったりを狙って本文の言葉を継ぎ足すと、どこを削ればいいか分からなくなるので、いったん短く核+根拠だけの文を作ってから広げるほうが失敗しません。

削るときの優先順位まとめ

字数オーバー時に手を付ける順番は次のとおりです。

  1. 感想・評価などの余分な一文(「〜と思う」「〜が印象的だ」)
  2. 接続語・つなぎ言葉の簡略化(「そうして」→削除、「〜ということ」→「〜こと」)
  3. 修飾語の削減(「とても」「本当に」などの強調語)
  4. 本文の言葉の換言による圧縮

根拠そのものを削るのは最後の最後、できる限り避けるべき手段です。字数不足のときはこの順番を逆から辿り、状況説明→修飾語→接続語の順で足すとバランスが崩れません。

核と根拠を正しく組み立てる工程については記述問題の書き方5ステップで詳しく扱っています。ゴール設定→根拠集め→肉付けの型ができていないと、字数調整の土台がぐらついてしまいます。

家庭でできる練習:同じ内容を3つの字数で書かせる

家庭学習で効果的なのが、同じ設問に対して40字・60字・100字の3パターンで答えさせる練習です。核は共通のまま根拠と肉付けだけを増減させる感覚が身につきます。

この練習をすると、多くの子が最初は100字の文をただ短く切っただけの40字を書いてしまい、根拠の断片が中途半端に混ざって意味の通らない文になりがちです。逆に40字の文に言葉を継ぎ足しただけの100字も、内容が薄いまま字数だけ埋まった空疎な文になります。字数クラスごとに核・根拠・肉付けを組み直す訓練を重ねることで、本番でどの字数を指定されても対応できる力がついていきます。

どこに根拠があるかを本文全体の流れ(マクロ)から素早く見つける読み方の土台は偏差値を上げる読解の型にまとめています。字数調整は根拠が正しく取れていることが前提の技術です。


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字数調整は型を知っているかどうかで得点の安定度が大きく変わる部分です。ひとりで感覚をつかむのが難しい場合は、国語先生.COM の個別指導で実際の答案を見ながら一緒に練習することもできます。ご相談は公式サイトまたは公式LINEからお気軽にどうぞ。